上の血圧だけ高い・下の血圧だけ高いのはなぜ?原因と受診の目安

血圧を測ったとき、

「上の血圧は150だけど、下は80くらい」

「上は130台なのに、下だけ90を超えている」

「上と下、どちらの血圧を気にすればいい?」

と疑問に思ったことはありませんか?

血圧には、

・上の血圧=収縮期血圧
・下の血圧=拡張期血圧

の2つがあります。

どちらか一方だけが高くなることもあり、「上だけ高い」「下だけ高い」という状態には、それぞれ異なる背景が考えられます。

特に、上の血圧だけが高くなる状態は年齢とともに増えやすく、一方、下の血圧だけが高い状態は比較的若い年代でもみられることがあります。

ただし、血圧は1回の測定だけで判断するものではありません。

この記事では、上の血圧と下の血圧の違い、それぞれが高くなる原因、家庭血圧の確認方法、医療機関へ相談した方がよいケースについて、国分寺なみき内科クリニックが分かりやすく解説します。

高血圧そのものの原因・検査・治療について詳しく知りたい方は、国分寺市の高血圧治療についてをご覧ください。

上の血圧と下の血圧は何が違う?

血圧計には通常、2つの数字が表示されます。

例えば、

145/82mmHg

と表示された場合、

145mmHgが「上の血圧」
82mmHgが「下の血圧」

です。

上の血圧は「収縮期血圧」と呼ばれます。

心臓が収縮して血液を全身へ送り出したときに、血管にかかる圧力を表します。

一方、下の血圧は「拡張期血圧」と呼ばれます。

心臓が拡張して次の血液をためているときに、血管にかかっている圧力を表します。

つまり、上と下は同じ血圧でも、心臓の動きの異なるタイミングを見ている数値です。

どちらか一方だけではなく、両方を確認することが大切です。

「上だけ高い」のは高血圧?

例えば、

150/78mmHg

のように、上の血圧は高いものの下の血圧は90mmHg未満ということがあります。

診察室で測定した血圧で、

・収縮期血圧が140mmHg以上
・拡張期血圧が90mmHg未満

となる状態は、「孤立性収縮期高血圧」と呼ばれます。

「下は正常だから問題ない」

と思われることがありますが、上の血圧が繰り返し高い場合には注意が必要です。

特に年齢を重ねると、上の血圧だけが高くなるタイプの高血圧が増えてきます。

なぜ年齢とともに上の血圧だけ高くなる?

上の血圧だけが高くなる背景として重要なのが、血管の硬さです。

若く健康な血管には弾力があり、心臓から血液が送り出されたときに血管が広がることで圧力を吸収します。

しかし、年齢を重ねたり動脈硬化が進んだりすると、大動脈など太い血管の弾力が低下します。

すると心臓から血液が送り出されたときの圧力を吸収しにくくなり、上の血圧が高くなりやすくなります。

その一方で、下の血圧はそれほど高くならないことがあります。

そのため、

「上が150、下が75」

「上が160なのに、下は80」

といった血圧になることがあります。

上の血圧だけが高いタイプは高齢者で多くみられ、動脈硬化との関連が重要です。

上と下の差が大きいのも気にした方がいい?

上の血圧と下の血圧の差を「脈圧」と呼びます。

例えば、

150/80mmHg

であれば、

150-80=70mmHg

が脈圧です。

年齢とともに血管が硬くなると、上の血圧が上昇する一方で下の血圧がそれほど上がらず、脈圧が広くなることがあります。

ただし、

「脈圧が○○以上なら必ず病気」

と一つの数字だけで判断するものではありません。

年齢、普段の血圧、心臓や血管の状態、他の生活習慣病などを含めて総合的に評価します。

高血圧による心臓や血管への影響について詳しく知りたい方は、循環器内科についてもご覧ください。

「下の血圧だけ高い」のは高血圧?

反対に、

135/95mmHg

のように、上の血圧は140mmHg未満でも、下の血圧だけ90mmHg以上になることがあります。

診察室血圧で、

・収縮期血圧が140mmHg未満
・拡張期血圧が90mmHg以上

となる状態は、「孤立性拡張期高血圧」と呼ばれます。

「上が正常なら大丈夫なのでは?」

と思う方もいますが、下の血圧が繰り返し高い場合には、そのままにせず確認することが大切です。

特に比較的若い方や中年の方でみられることがあります。

なぜ下の血圧だけ高くなるの?

下の血圧には、細い血管の抵抗などが関係します。

血管が収縮して血液が流れにくくなると、心臓が拡張している間も血管内の圧力が高くなり、下の血圧が上昇することがあります。

背景としては、

・体重増加や肥満
・運動不足
・塩分の多い食生活
・飲酒
・喫煙
・睡眠不足
・ストレス

などが血圧上昇に関係することがあります。

ただし、下の血圧だけが高いからといって、必ず生活習慣だけが原因とは限りません。

比較的若い年代で高血圧が続いている場合や、血圧がかなり高い場合には、必要に応じて腎臓・ホルモン・睡眠時無呼吸症候群など、高血圧の背景に別の原因がないか確認することもあります。

30代・40代で血圧の高さを指摘されている方は、30代・40代でも高血圧になる?若い人の高血圧で注意したい原因と受診の目安もあわせてご覧ください。

上と下、どちらの血圧の方が重要?

「上と下のどちらを優先して気にしたらいいですか?」

という質問をいただくことがあります。

結論としては、どちらも重要です。

日本高血圧学会では、診察室血圧で、

・上の血圧が140mmHg以上

または

・下の血圧が90mmHg以上

の場合を高血圧の診断基準としています。

つまり、

150/80mmHg

でも、

135/95mmHg

でも、繰り返し同様の血圧になる場合には確認が必要です。

「両方とも高くならなければ高血圧ではない」というわけではありません。

一方で、血圧は緊張や運動、睡眠不足、気温などによって一時的に変動します。

そのため、1回の数値だけではなく、家庭血圧を継続して測ることが重要です。

家庭血圧ではどのくらいから高い?

家庭で測る血圧では、診察室よりも基準が低くなります。

一般的に、

家庭血圧135/85mmHg以上

が高血圧を考える目安です。

ここでも重要なのは「または」という考え方です。

つまり、

・上が135mmHg以上
または
・下が85mmHg以上

の状態が続いていれば、家庭血圧として高い可能性があります。

例えば、

138/78mmHg

であれば上の血圧が高く、

128/88mmHg

であれば下の血圧が高いことになります。

病院で測った血圧と家庭血圧が大きく違う場合には、白衣高血圧や仮面高血圧が隠れている場合もあります。

詳しくは、病院では血圧が高いのに家では正常?白衣高血圧・仮面高血圧とはをご覧ください。

1回だけ上や下が高かった場合はどうする?

血圧が一度高かっただけで、高血圧と決めつける必要はありません。

血圧は、

・緊張
・睡眠不足
・運動直後
・寒さ
・喫煙
・カフェイン
・飲酒
・ストレス

などによって変化します。

血圧を測って高かった場合には、まず座った状態で安静にしてから再度測定してみましょう。

そのうえで、朝と夜の家庭血圧を数日間記録します。

大切なのは、

「今日だけ高かったか」

ではなく、

「同じ傾向が繰り返されているか」

を見ることです。

朝だけ上の血圧が高い場合は?

「昼や夜は正常なのに、朝だけ上の血圧が140~150になる」

という方もいます。

朝の血圧が高い状態は「早朝高血圧」と関係している可能性があります。

朝はもともと血圧が上昇しやすい時間帯ですが、

・塩分
・飲酒
・睡眠不足
・ストレス
・寒さ
・睡眠時無呼吸症候群

などによって、朝の血圧がさらに高くなる場合があります。

特に朝だけ血圧が高い方は、朝だけ血圧が高いのはなぜ?早朝高血圧の原因と受診の目安をご覧ください。

薬を飲んで上だけ・下だけ高い場合は?

すでに高血圧の薬を飲んでいる方でも、

「上はまだ145あるけれど、下は70」

「上は130なのに、下が90を超える」

ということがあります。

この場合、自己判断で薬を追加したり減らしたりすることは避けてください。

治療では、

・朝と夜の家庭血圧
・現在の薬
・年齢
・脈拍
・腎機能
・他の病気
・ふらつきなどの症状

を確認しながら調整します。

特に上の血圧を下げようとして薬を自己判断で増やすと、下の血圧まで必要以上に低くなったり、ふらつきが出たりすることがあります。

反対に、下だけ高い場合にも、一つの数値だけを見て薬を調整することはおすすめできません。

血圧の薬を飲んでいるのに十分に下がらない方は、血圧の薬を飲んでも下がらないのはなぜ?考えられる原因と受診の目安もご覧ください。

上だけ・下だけ高い場合、どんな検査をする?

医療機関では、上か下のどちらが高いかだけを見るのではなく、高血圧全体の状態を確認します。

まず、

・家庭血圧
・過去の健康診断結果
・年齢
・体重
・食生活
・飲酒
・喫煙
・運動習慣
・現在服用している薬

などを確認します。

必要に応じて、

・血液検査
・尿検査
・腎機能
・血糖値、HbA1c
・コレステロール、中性脂肪
・心電図

などを確認します。

若い年代で血圧が非常に高い場合や、複数の薬でも血圧が下がりにくい場合などには、二次性高血圧について検討することもあります。

高血圧の検査・治療全般については、国分寺市の高血圧治療についてをご確認ください。

こんな場合は一度ご相談ください

次のような場合には、一度内科へ相談することをおすすめします。

・上の血圧が140mmHg以上になることが多い
・下の血圧が90mmHg以上になることが多い
・家庭血圧で上が135mmHg以上になることが多い
・家庭血圧で下が85mmHg以上になることが多い
・上と下の差が以前より大きくなってきた
・30代、40代なのに下の血圧が高い状態が続く
・以前より急に血圧が高くなった
・高血圧の薬を飲んでいるのに数値が安定しない
・糖尿病や脂質異常症も指摘されている

受診する際には、可能であれば朝・夜の家庭血圧を記録してお持ちください。

1回の血圧だけではなく、数日間の傾向を見ることで、現在の血圧の状態を判断しやすくなります。

国分寺市で上・下の血圧が気になる方へ

「上だけ高いけれど、下が正常なら放置していい?」

「下の血圧だけ90を超えるのは何か病気?」

「毎年少しずつ上と下の差が大きくなっている」

と気になる方は、一度現在の血圧を確認してみましょう。

国分寺なみき内科クリニックでは、高血圧をはじめ、糖尿病・脂質異常症などの生活習慣病について診療しています。

上の血圧・下の血圧の数値だけで判断するのではなく、

・家庭血圧
・年齢
・生活習慣
・体重
・血糖・脂質
・腎機能
・現在服用している薬
・必要に応じた二次性高血圧の評価

などを総合的に確認します。

特に、

「上だけだから」

「下だけだから」

という理由で放置せず、同じような血圧が繰り返される場合には一度ご相談ください。

まとめ

血圧には、

・上の血圧=収縮期血圧
・下の血圧=拡張期血圧

があります。

上の血圧だけが高くなる「孤立性収縮期高血圧」は、特に年齢を重ねた方でみられやすく、血管の硬さなどが関係します。

一方、下の血圧だけが高くなる「孤立性拡張期高血圧」は、比較的若い年代でもみられることがあります。

大切なのは、

「上と下の両方が高くなければ問題ない」

と考えないことです。

診察室では上140mmHg以上または下90mmHg以上、家庭では上135mmHg以上または下85mmHg以上が続く場合には、高血圧について確認する必要があります。

まず朝・夜の家庭血圧を記録し、同じ傾向が続いているか確認してみましょう。

上だけ、下だけであっても血圧の高さが続く場合には、一度医療機関へご相談ください。

参考:日本高血圧学会「高血圧管理・治療ガイドライン2025」

■この記事の監修者

国分寺なみき内科クリニック 

院長 鈴木 愛(すずき めぐみ)


<所属学会・専門医>
日本内科学会 総合内科専門医・指導医 / 日本血液学会 血液専門医
日本造血細胞移植学会 造血細胞移植認定医 / 日本輸血・細胞治療学会 / 日本臨床腫瘍学会臨床研修指導医 / がん診療に携わる医師に対する緩和ケア研修会修了

そんなときこそ、

まずは当院へお越しください。

地域のかかりつけ医として、

皆様の健康を支えてまいります。

ご相談・ご予約はこちらから

急な不調・慢性疾患、まずはご相談ください。


休診日:木曜日午後・土曜日午後・日曜日・祝日

ご相談・ご予約はこちらから
電話から

急な不調・慢性疾患、まずはご相談ください。


休診日:木曜日午後・土曜日午後・日曜日・祝日

ネットから