朝だけ血圧が高いのはなぜ?早朝高血圧の原因と受診の目安

「朝起きて血圧を測ると140を超えている」
「夜は正常なのに、朝だけ血圧が高い」
「病院では正常と言われたのに、朝の家庭血圧が高い」
このような場合、「早朝高血圧」が隠れている可能性があります。
血圧は1日中同じではなく、睡眠中には低くなり、目覚めて活動を始める朝に上昇するのが一般的です。
しかし、朝の血圧が必要以上に高くなる状態が続く場合には注意が必要です。
特に高血圧は自覚症状がほとんどないことが多いため、「朝だけだから大丈夫」と自己判断せず、家庭血圧を記録して自分の血圧の傾向を確認することが大切です。
この記事では、朝に血圧が高くなる「早朝高血圧」の原因、家庭血圧の正しい測り方、受診した方がよいケースについて、国分寺なみき内科クリニックが分かりやすく解説します。
高血圧そのものの原因・検査・治療について詳しく知りたい方は、国分寺市の高血圧治療についてをご覧ください。
早朝高血圧とは?
早朝高血圧とは、名前のとおり朝起きた時間帯の血圧が高くなっている状態です。
血圧には1日の中で変化する「日内変動」があります。
一般的には睡眠中に血圧が低下し、目覚めるころから少しずつ上昇します。
そのため、夜より朝の血圧が多少高くなること自体は珍しいことではありません。
問題となるのは、朝の家庭血圧が繰り返し高くなる場合です。
家庭血圧では、一般的に135/85mmHg以上が高血圧を考える診断上の目安となります。
日本高血圧学会のガイドラインでは、診察室血圧が140/90mmHg未満であっても、早朝に測った家庭血圧の平均が135/85mmHg以上となる場合を早朝高血圧としています。
つまり、
「病院では正常だったから大丈夫」
とは限りません。
朝の家庭血圧を測定することで、診察室の血圧だけでは分からなかった高血圧が見つかることがあります。
なぜ朝は血圧が高くなりやすい?
朝になると、体は睡眠状態から活動状態へ切り替わります。
目覚めるころには交感神経の働きが活発になり、心拍数が増えたり血管が収縮したりすることで、血圧も上昇しやすくなります。
この朝の血圧上昇そのものは生理的な反応ですが、上昇が過度になる場合があります。
早朝高血圧には、大きく分けると、
・夜間から血圧が十分に下がらず、そのまま朝まで高いタイプ
・夜間は低くても、起床前後に血圧が急激に上昇するタイプ
があります。
朝に急激に血圧が上昇する現象は「モーニングサージ」と呼ばれます。
軽度のモーニングサージは誰にでも起こり得ますが、血圧上昇が大きい場合には注意が必要です。
朝の血圧が高くなる主な原因
早朝高血圧には、さまざまな要因が関係します。
塩分の摂りすぎ
塩分を多く摂取すると体内に水分をため込みやすくなり、血圧が上がる原因となります。
夕食で味の濃い食事を多く食べる習慣がある方や、外食・加工食品・漬物・汁物などを多く摂る方は、1日の塩分量を見直してみましょう。
飲酒
夜の飲酒も血圧変動に影響することがあります。
飲酒直後には血圧が下がる場合がありますが、その後に血圧が上昇することがあります。
毎日の飲酒量が多い方で朝の血圧が高い場合には、飲酒習慣についても確認が必要です。
睡眠不足やストレス
睡眠不足や精神的なストレスが続くと交感神経が活発になり、血圧が上がりやすくなります。
寝つきが悪い、夜中に何度も目が覚める、十分寝ても疲れが取れないといった状態が続いている方は、睡眠の状態も確認してみましょう。
睡眠についてお困りの方は、不眠症・睡眠障害についてもご覧ください。
寒さ
寒い環境では血管が収縮するため、血圧が上昇しやすくなります。
特に冬の朝は、暖かい布団の中から寒い部屋へ移動することで血圧が大きく変化することがあります。
冬になると朝の血圧が高くなる方は、室温にも注意しましょう。
睡眠時無呼吸症候群
早朝高血圧の背景として、特に確認しておきたいのが睡眠時無呼吸症候群です。
睡眠中に何度も呼吸が止まると、体内の酸素が不足し、交感神経が刺激されます。
その結果、夜間から早朝にかけて血圧が高くなることがあります。
特に、
・大きないびきをかく
・睡眠中に呼吸が止まっていると言われる
・朝起きたときに頭が重い
・十分寝ても疲れが取れない
・日中に強い眠気がある
・肥満がある
・血圧の薬を飲んでもなかなか下がらない
といった方は、睡眠時無呼吸症候群が隠れていないか確認することも大切です。
詳しくは、国分寺市の睡眠時無呼吸症候群についてをご覧ください。
朝の血圧130と135、どちらを目安にすればいい?
高血圧について調べていると、
「家庭血圧135/85mmHg以上が高血圧」
と書かれている一方で、
「朝の血圧は130mmHg未満を目指しましょう」
という情報を見ることがあります。
この2つは意味が異なります。
135/85mmHg以上は、家庭血圧で高血圧を診断するときの基準です。
一方、日本高血圧学会は2025年から「血圧朝活」の取り組みとして、朝の収縮期血圧について130mmHg未満を目指すことを広く呼びかけています。
つまり、
「130を超えたらすぐ高血圧と診断される」
という意味ではありません。
ただし、朝の血圧が130mmHg以上になる状態が続いている場合には、将来の血圧上昇を含めて生活習慣を見直し、家庭血圧を継続して確認するきっかけにするとよいでしょう。
家庭血圧が繰り返し135/85mmHg以上になる場合には、一度医療機関へ相談することをおすすめします。
朝の血圧はいつ測るのが正しい?
朝の家庭血圧は、測定条件をなるべくそろえることが重要です。
基本的には、
・起床後1時間以内
・トイレを済ませたあと
・朝食を食べる前
・血圧の薬を飲んでいる方は服薬前
・椅子に座って1~2分安静にしてから
測定します。
家庭用血圧計は、原則として上腕にカフを巻くタイプを使用します。
測定する日によって、
「今日は起床直後」
「今日は朝食後」
「今日は薬を飲んだあと」
と条件が変わると、正確な比較が難しくなります。
できるだけ毎日同じ条件で測りましょう。
また、1日だけ高かった数値で判断するのではなく、複数日の血圧を記録することが大切です。
日本高血圧学会では、高血圧の診断や治療効果の評価では朝・晩の測定を行い、複数日の平均値を確認することを推奨しています。
朝だけ140~150くらいある場合は受診した方がいい?
朝の血圧が一度140mmHgを超えただけで、ただちに高血圧と判断するわけではありません。
血圧は睡眠状態、気温、ストレス、前日の飲酒などでも変化するためです。
しかし、
・朝の家庭血圧が135/85mmHg以上になる日が続く
・毎朝140~150mmHg程度になる
・以前から高血圧を指摘されている
・血圧の薬を飲んでいるのに朝だけ高い
・糖尿病や脂質異常症がある
・腎機能低下を指摘されている
・いびきや睡眠時無呼吸がある
といった場合には、一度医療機関へ相談することをおすすめします。
受診時には朝だけでなく夜の血圧も記録しておくと、1日の血圧変動を判断する参考になります。
血圧の薬を飲んでいるのに朝だけ高いのはなぜ?
すでに高血圧の治療をしているにもかかわらず、
「病院では血圧が下がっているのに、朝だけ高い」
ということがあります。
この場合、
・夜間から早朝にかけて血圧が高い
・服用している薬の効果と1日の血圧変動が合っていない
・塩分や飲酒など生活習慣の影響がある
・睡眠時無呼吸症候群など別の原因がある
など、さまざまな可能性があります。
ただし、朝の血圧が高いからといって、自己判断で薬を増やしたり、服用時間を変更したりすることは避けてください。
朝・夜の家庭血圧を記録し、その結果を医師に見せたうえで治療方針を検討することが大切です。
高血圧の薬や検査、治療全般については、国分寺市の高血圧治療についてをご覧ください。
朝の血圧が高いと脳卒中や心筋梗塞につながる?
早朝高血圧を放置すると、血管や心臓、腎臓などに負担がかかる可能性があります。
特に早朝高血圧は、脳卒中をはじめとする心血管疾患との関連が報告されています。
高血圧そのものにほとんど自覚症状がないため、
「朝は高いけれど昼には下がるから大丈夫」
と考えず、継続して高い場合には状態を確認することが重要です。
高血圧による心臓や血管への影響について詳しく知りたい方は、循環器内科についてもご覧ください。
国分寺市で朝の血圧が高い方へ
朝の血圧は、自宅で確認できる重要な健康情報です。
「病院では正常だったのに、朝はいつも140を超える」
「血圧の薬を飲んでいるのに、朝だけ高い」
「最近になって朝の血圧が高くなってきた」
という場合には、朝・夜の家庭血圧を記録して一度ご相談ください。
国分寺なみき内科クリニックでは、高血圧をはじめ、糖尿病・脂質異常症などの生活習慣病の診療に対応しています。
また、早朝高血圧の背景として睡眠時無呼吸症候群が疑われる場合には、睡眠についてもあわせて評価します。
受診される際には、
・朝と夜の家庭血圧の記録
・過去の健康診断結果
・お薬手帳
などがあればお持ちください。
血圧の数値だけではなく、生活習慣や他の病気、現在の治療内容などを確認しながら評価することが大切です。
まとめ
朝起きたときに血圧が高くなる「早朝高血圧」は、診察室で血圧を測るだけでは気づかないことがあります。
特に、
・朝の家庭血圧が135/85mmHg以上になる日が続く
・夜は正常なのに朝だけ高い
・病院では正常なのに朝の家庭血圧が高い
・高血圧治療中なのに朝だけ血圧が下がらない
という場合には、朝と夜の家庭血圧を記録してみましょう。
血圧は1回の数値だけで判断するものではありません。
毎日なるべく同じ条件で測定し、血圧の傾向を確認することが重要です。
朝の血圧が高い状態が続いている場合には、「朝だけだから」と放置せず、一度医療機関へご相談ください。

■この記事の監修者
国分寺なみき内科クリニック
院長 鈴木 愛(すずき めぐみ)
<所属学会・専門医>
日本内科学会 総合内科専門医・指導医 / 日本血液学会 血液専門医
日本造血細胞移植学会 造血細胞移植認定医 / 日本輸血・細胞治療学会 / 日本臨床腫瘍学会臨床研修指導医 / がん診療に携わる医師に対する緩和ケア研修会修了
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