痛風発作が治まったら治療は終わり?|再発予防と尿酸値の長期管理について

「痛風発作の痛みがなくなったから、もう病院に行かなくても大丈夫?」

「痛風の薬はいつまで飲み続ければいいの?」

「尿酸値が下がったら治療をやめてもいい?」

「一度痛風になったら、また発作が起こるの?」

このような疑問をお持ちの方も多いのではないでしょうか。

痛風発作は、足の親指の付け根などに突然激しい痛みや腫れが現れる病気です。

発作による炎症は、治療や時間の経過によって落ち着くことがあります。しかし、痛みが治まったことと、痛風の原因が解消されたことは同じではありません。

関節の中に尿酸の結晶が残っていると、再び痛風発作が起こる可能性があります。

そのため、痛風と診断された方では、発作が治まった後も尿酸値を確認し、必要に応じて継続的な治療を行うことが重要です。

特に、発作を繰り返している方や、尿酸値が高い状態が続いている方では、再発を防ぐための長期的な管理が必要になる場合があります。

この記事では、国分寺なみき内科クリニックが、痛風発作後の治療、尿酸値の目標、薬を続ける理由、再発を防ぐ生活習慣について分かりやすく解説します。

痛風発作が治まったら、もう治療は必要ない?

痛風発作を経験した方の中には、痛みがなくなると「治った」と感じる方もいらっしゃいます。

しかし、痛風は発作が起きているときだけ注意すればよい病気ではありません。

痛みがなくなっても尿酸の結晶が残っていることがある

痛風発作は、関節などに沈着した尿酸の結晶によって強い炎症が起こることで発症します。

発作の炎症が落ち着くと、痛みや腫れも改善していきます。

しかし、炎症が治まっても、関節内などに尿酸の結晶が残っている場合があります。

そのため、尿酸値が高い状態を放置すると、新たな結晶が沈着したり、再び炎症が起こったりする可能性があります。

痛風発作が治まった後こそ、再発を防ぐための治療を考える大切な時期です。

ただし、一度痛風発作を経験した方全員に、直ちに尿酸を下げる薬が必要になるわけではありません。

発作の回数、尿酸値、腎機能、合併症などを確認したうえで、治療方針を検討します。

痛風と高尿酸血症の違いは?

高尿酸血症は、血液中の尿酸値が7.0mg/dLを超えている状態です。

一方、痛風は、尿酸の結晶によって関節に炎症が起こる病気です。

尿酸値が高くても痛風発作を経験していない方もいます。

つまり、高尿酸血症と痛風では、治療を開始する基準や目標が異なる場合があります。

高尿酸血症の診断基準や痛風の基本的な症状については、当院の既存記事で詳しく解説しています。

→ 痛風・高尿酸血症の原因と受診の目安|国分寺なみき内科クリニック

痛風発作後の尿酸値は、6.0mg/dL未満を目指す?

痛風の再発予防を考えるうえで重要なのが、血液中の尿酸値です。

痛風の長期管理では6.0mg/dL未満が一般的な目標

日本痛風・尿酸核酸学会の「高尿酸血症・痛風の治療ガイドライン」などでは、痛風患者さんの尿酸値を適切に管理する重要性が示されています。

尿酸降下薬による治療を行う場合、一般的には血清尿酸値6.0mg/dL未満を目標とします。

これは、尿酸の結晶が新たに形成されにくい状態にし、すでに沈着した結晶の減少を目指すためです。

ただし、尿酸値の目標は、病状や合併症によって個別に設定されます。

痛風結節がある方や、尿酸値を十分に下げても発作を繰り返す方などでは、さらに低い目標値を検討する場合もあります。

尿酸値7.0mg/dL以下なら安心?

高尿酸血症の診断基準と、痛風治療中の目標値は異なります。

例えば、尿酸値が6.8mg/dLだった場合、高尿酸血症の診断基準である7.0mg/dL超には該当しません。

しかし、痛風の再発予防を目的とした治療では、一般的な目標である6.0mg/dL未満に達していない状態です。

そのため、痛風を経験した方では「7.0以下だから治療は終わり」と単純に判断することはできません。

尿酸値が6.0未満になれば、もう発作は起こらない?

尿酸値が目標に達しても、すぐに再発の可能性がなくなるわけではありません。

すでに関節内に沈着した尿酸の結晶が減少するまでには時間がかかるためです。

また、尿酸値が下がり始めた時期には、結晶の状態が変化することで、一時的に痛風発作が起こる場合もあります。

大切なのは、1回の検査結果だけではなく、適切な尿酸値を継続して維持することです。

痛風発作後の薬はいつまで飲み続ける?

痛風の治療には、大きく分けて2種類の薬があります。

一つは発作時の炎症や痛みを抑える薬、もう一つは尿酸値を下げて再発を予防する薬です。

この2つは治療の目的が異なります。

① 痛風発作の痛みを抑える薬

発作時には、関節の炎症を抑えるために薬を使用します。

代表的な薬として、非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)、コルヒチン、ステロイド薬などがあります。

これらは、発作による炎症や痛みを抑える目的で使用されます。

薬の種類や使用期間は、症状の強さ、腎機能、胃腸の状態、ほかに服用している薬などを考慮して判断します。

痛みがなくなった後の使用方法についても、医師の指示に従うことが大切です。

② 尿酸値を下げて再発を予防する薬

尿酸値を下げる薬は、発作時の痛みを直接取り除く薬とは異なります。

血液中の尿酸値を適切な範囲に保ち、尿酸の結晶を減らしていくことで、長期的な再発予防を目指します。

主な薬には、尿酸が作られるのを抑える薬や、尿酸の排泄を促す薬があります。

薬の選択は、腎機能や尿路結石の有無、ほかの病気や服用薬などを考慮して決定します。

また、尿酸降下薬は、通常少量から開始し、検査結果を確認しながら必要に応じて調整します。

尿酸値が下がったら薬をやめてもいい?

尿酸降下薬を服用して尿酸値が目標まで下がった場合でも、自己判断で薬を中止することはおすすめできません。

薬を中止すると、再び尿酸値が上昇する場合があるためです。

尿酸値が高い状態が続くと、尿酸の結晶が再び増加し、痛風発作を繰り返す可能性があります。

そのため、尿酸降下薬による治療は長期間継続することが一般的です。

ただし、治療をどの程度継続するかは、尿酸値の推移、発作歴、体重や生活習慣の変化、腎機能などによって異なります。

薬を減らしたい、やめたいと考えている方は、現在の尿酸値や発作の状況を確認しながら主治医に相談しましょう。

尿酸を下げる薬を飲み始めたのに、また痛風発作が起きるのはなぜ?

「尿酸を下げる薬を飲み始めたのに、また足が痛くなった」

「薬が効いていないのでは?」

このように感じる方もいらっしゃいます。

実は、尿酸値を下げる治療の開始時期には、痛風発作が起こる場合があります。

尿酸値が変化すると発作が起こることがある

尿酸降下薬によって血液中の尿酸値が下がり始めると、関節内に沈着した尿酸結晶の状態が変化します。

その過程で、一時的に痛風発作が起こりやすくなることがあります。

そのため、治療開始後に発作が起こったからといって、必ずしも薬が効いていないわけではありません。

必要に応じて、治療開始時に発作を予防する薬を併用する場合もあります。

発作が起きたら尿酸の薬は中止する?

すでに尿酸降下薬を継続して服用している方は、発作が起きたからといって自己判断で中止しないことが大切です。

一般的には尿酸降下薬を継続しながら、発作による炎症に対する治療を行います。

ただし、薬の副作用が疑われる場合などは、別の対応が必要になることがあります。

発熱を伴う発疹や強い体調不良など、重い副作用が疑われる症状が出た場合には、速やかに医療機関へ相談してください。

尿酸降下薬の開始や用量変更のタイミングについては、発作の状況や患者さんの状態を踏まえて医師が判断します。

痛風発作が治まった後に受けたい検査とは?

痛風発作が治まった後は、再発を防ぐために尿酸値や全身の健康状態を確認することが重要です。

① 血液検査で尿酸値を確認する

まず確認したいのが血清尿酸値です。

痛風発作の最中には、一時的に尿酸値が低く測定される場合があります。

そのため、発作時に尿酸値が正常範囲だったとしても、痛風ではないと断定することはできません。

痛風が疑われる場合には、発作が落ち着いてから尿酸値を再確認することがあります。

特に発作中の尿酸値が6.0mg/dL未満だった場合、英国NICEガイドラインでは、発作が治まってから少なくとも2週間以上空けて再測定することを勧めています。

② 腎機能を確認する

尿酸は主に腎臓から排泄されるため、腎機能の評価も重要です。

血液検査では、クレアチニンやeGFRなどを確認します。

腎機能が低下している場合には、尿酸値に影響するだけでなく、尿酸を下げる薬の選択や使用量にも注意が必要になります。

また、尿路結石などの既往がある方では、その状況も確認します。

腎機能に関する検査結果の見方については、健診でeGFRが低い・クレアチニンが高いと言われたら|慢性腎臓病(CKD)の受診目安をご覧ください。

③ 血圧・血糖値・脂質も確認する

高尿酸血症のある方では、高血圧、糖尿病、脂質異常症などを合併している場合があります。

そのため、尿酸値だけでなく、血圧や血糖値、コレステロールなども合わせて確認することが大切です。

特に健康診断で複数の項目に異常を指摘されている場合には、生活習慣病を総合的に管理する必要があります。

高血圧も指摘されている方は、国分寺市の高血圧治療についてもご覧ください。

痛風の再発を防ぐために気をつけたい生活習慣

痛風の再発予防では、必要に応じた薬物治療に加えて、生活習慣の見直しも大切です。

ただし、食事や生活習慣を改善するだけで、必ず痛風発作を防げるわけではありません。

すでに尿酸降下薬による治療が必要と判断されている方は、自己判断で薬を中止しないようにしましょう。

① アルコールの摂取量を見直す

飲酒は尿酸値や痛風発作に影響する要因の一つです。

特に飲酒量が多い方では、痛風の再発リスクが高まる可能性があります。

また、ビールだけでなく、ほかの種類のお酒も尿酸の排泄などに影響します。

「プリン体ゼロのビールなら、いくら飲んでも大丈夫」というわけではありません。

痛風を経験した方は、アルコールの種類だけでなく、飲酒量や頻度を見直しましょう。

② 甘い飲み物を控える

糖分の多い清涼飲料水や果糖を多く含む飲み物の習慣的な摂取は、尿酸値の上昇と関連することがあります。

例えば、

  • 砂糖入りの清涼飲料水
  • 甘いジュース
  • 糖分の多いエナジードリンク

などを頻繁に飲んでいる方は、摂取量を見直してみましょう。

普段の水分補給には、水や無糖のお茶などを選ぶことも一つの方法です。

③ 水分不足を避ける

脱水は、血液中の尿酸濃度や尿路結石のリスクに影響する場合があります。

特に夏場や運動時など、汗を多くかく場面では適切な水分補給を心がけましょう。

ただし、心不全や腎臓病などで水分制限を指示されている方は、医師の指示を優先してください。

「痛風だから必ず1日に何リットル飲む」と自己判断する必要はありません。

④ 体重管理と適度な運動を心がける

肥満や内臓脂肪の増加は、高尿酸血症と関連することがあります。

体重が増えている方では、食生活や運動習慣を見直すことも大切です。

ただし、急激な減量や極端な食事制限は、かえって尿酸値に影響する場合があります。

無理のない範囲で体重管理を行いましょう。

また、痛風発作による痛みや腫れが残っている間は、患部に負担がかかる運動を避けることが重要です。

症状が落ち着いた後は、体調に合わせてウォーキングなどの運動を取り入れましょう。

⑤ プリン体だけを気にしすぎない

痛風というと、「プリン体の多い食べ物を食べてはいけない」と考える方も多いかもしれません。

確かに、プリン体を多く含む食品を過剰に摂取することは避けたいところです。

しかし、尿酸は食事だけでなく、体内でも作られています。

また、尿酸値には体質や腎臓からの排泄能力なども関係します。

そのため、プリン体だけを極端に制限するのではなく、アルコールや糖分の多い飲み物、過剰なエネルギー摂取なども含めて食生活全体を見直すことが大切です。

痛風発作を繰り返す方は、定期的な通院が重要

痛風発作を繰り返している方では、尿酸値を適切に管理するための継続的な診療が重要です。

例えば、次のような方は治療内容の確認をおすすめします。

  • 過去に痛風発作を2回以上経験している
  • 尿酸値が高い状態が続いている
  • 尿酸降下薬を自己判断で中止したことがある
  • 薬を飲んでいるのに発作を繰り返す
  • 痛風結節を指摘されている
  • 腎機能低下や尿路結石の既往がある

尿酸降下薬による治療を開始した場合、初期には検査結果を確認しながら薬の量を調整することがあります。

尿酸値が目標に達して安定した後も、定期的な血液検査などによる経過観察が重要です。

具体的な通院間隔は、尿酸値の推移、腎機能、使用している薬などによって異なります。

国分寺なみき内科クリニックでは、高尿酸血症や痛風を含む生活習慣病のご相談に対応しています。

詳しくは、内分泌・代謝系の疾患・症状についてをご覧ください。

痛風発作後の治療についてよくある質問

Q1. 痛風発作は自然に治まることがありますか?

はい。痛風発作による炎症は、時間の経過によって自然に落ち着く場合があります。

ただし、痛みが治まったからといって、尿酸の結晶がすべてなくなったわけではありません。

再発を防ぐためにも、発作後に尿酸値を確認することが大切です。

Q2. 痛風発作が一度だけでも、薬を飲み続ける必要がありますか?

一度の発作だけで、必ず長期的な薬物治療が必要になるわけではありません。

発作の重症度、尿酸値、腎機能、尿路結石の有無などを確認し、薬物治療の必要性を検討します。

初めて痛風発作を経験した方も、発作後の診察で再発予防について相談しましょう。

Q3. 尿酸値が6.0mg/dL未満になったら、薬をやめてもいいですか?

尿酸降下薬によって尿酸値が目標まで下がった場合でも、通常はその状態を維持するために治療を継続します。

自己判断で薬を中止すると、尿酸値が再び上昇することがあります。

薬を減らす・中止することを希望する場合には、必ず主治医に相談してください。

Q4. 痛風発作のときは尿酸値が正常になることもありますか?

はい。痛風発作の最中には、尿酸値が普段より低くなることがあります。

そのため、発作時の尿酸値が正常範囲でも、痛風を否定することはできません。

必要に応じて発作後に再検査を行います。

Q5. 尿酸を下げる薬を飲んでいるのに再発するのはなぜですか?

治療開始直後には、尿酸値の変化によって一時的に発作が起こる場合があります。

また、尿酸値が十分に下がっていない場合や、尿酸の結晶が残っている場合なども考えられます。

自己判断で薬を中止せず、医療機関で尿酸値や治療内容を確認しましょう。

Q6. 痛風発作が再発したときは、以前もらった痛み止めを飲んでよいですか?

以前処方された薬であっても、現在の腎機能や持病、ほかの薬との組み合わせによっては使用に注意が必要です。

医師から再発時の服薬方法を具体的に指示されている場合は、その指示に従ってください。

また、関節が強く赤く腫れ、発熱や悪寒を伴う場合などは、細菌感染による関節炎の可能性もあります。

感染性関節炎が疑われる場合は緊急の治療が必要になるため、速やかに医療機関を受診してください。

国分寺市で痛風の再発予防や尿酸値の管理をお考えの方へ

「痛風発作が治まったので通院をやめてしまった」

「尿酸を下げる薬をいつまで飲めばいいか分からない」

「健康診断で尿酸値が高い状態が続いている」

「何度も痛風発作を繰り返している」

このようなお悩みがある方は、一度医療機関で相談してみましょう。

痛風の治療では、発作時の痛みを抑えることだけでなく、尿酸値を適切に管理し、再発を防ぐことが重要です。

国分寺なみき内科クリニックでは、痛風・高尿酸血症をはじめ、高血圧・糖尿病・脂質異常症などの生活習慣病について診療を行っています。

尿酸値や腎機能、これまでの発作歴、生活習慣などを確認し、患者さん一人ひとりの状態に応じて必要な検査や治療を検討します。

また、複数の生活習慣病をお持ちの方では、それぞれの病気の管理も含めて総合的に健康状態を確認することが大切です。

国分寺市をはじめ、小平市・立川市・国立市周辺で、痛風発作後の治療や尿酸値の管理についてお悩みの方は、お気軽にご相談ください。

受診の際には、健康診断の結果、過去の血液検査結果、お薬手帳などをお持ちいただくと、治療状況の確認に役立ちます。

まとめ

痛風発作の痛みがなくなっても、関節の中に尿酸の結晶が残っている場合があります。

そのため、発作が治まった後も、尿酸値や全身の健康状態を確認することが重要です。

今回のポイントをまとめます。

  1. 痛風発作の痛みが治まっても、治療が終了したとは限りません。
  2. 痛風の長期的な尿酸管理では、一般的に尿酸値6.0mg/dL未満を目標とします。
  3. 尿酸降下薬を服用している方は、自己判断で薬を中止しないことが大切です。
  4. 尿酸値を下げる治療の開始時期には、一時的に痛風発作が起こる場合があります。
  5. アルコールや糖分の多い飲み物、体重管理など、生活習慣の見直しも重要です。
  6. 発作の回数や尿酸値、腎機能などに応じて、継続的な検査・治療を検討します。

痛風は、一度発作が起きた後の管理によって、将来の再発リスクを減らすことが期待できる病気です。

大切なのは、痛みがない時期にも適切な尿酸値を維持し、必要な治療を継続することです。

痛風発作を経験した方や、尿酸値が高い状態が続いている方は、一度医療機関でご相談ください。

■この記事の監修者

国分寺なみき内科クリニック 

院長 鈴木 愛(すずき めぐみ)


<所属学会・専門医>
日本内科学会 総合内科専門医・指導医 / 日本血液学会 血液専門医
日本造血細胞移植学会 造血細胞移植認定医 / 日本輸血・細胞治療学会 / 日本臨床腫瘍学会臨床研修指導医 / がん診療に携わる医師に対する緩和ケア研修会修了

そんなときこそ、

まずは当院へお越しください。

地域のかかりつけ医として、

皆様の健康を支えてまいります。

ご相談・ご予約はこちらから

急な不調・慢性疾患、まずはご相談ください。


休診日:木曜日午後・土曜日午後・日曜日・祝日

ご相談・ご予約はこちらから
電話から

急な不調・慢性疾患、まずはご相談ください。


休診日:木曜日午後・土曜日午後・日曜日・祝日

ネットから