病院では血圧が高いのに家では正常?白衣高血圧・仮面高血圧とは

「家で測ると120台なのに、病院では150くらいになる」
「健康診断では血圧に問題がないと言われたのに、自宅ではいつも高い」
「病院と家で血圧が違うけれど、どちらを信用すればいい?」
このような経験はありませんか?
血圧は1日の中でも変動しており、測定する場所や時間、緊張、睡眠、ストレスなどによって数値が変わります。
特に注意したいのが、病院では血圧が高く家庭では正常になる「白衣高血圧」と、反対に病院では正常でも家庭では血圧が高くなる「仮面高血圧」です。
診察室で測った血圧だけでは、普段の血圧の状態を正確に把握できないことがあります。
この記事では、白衣高血圧と仮面高血圧の違い、家庭血圧を測る重要性、医療機関へ相談した方がよいケースについて、国分寺なみき内科クリニックが分かりやすく解説します。
高血圧そのものの原因・検査・治療について詳しく知りたい方は、国分寺市の高血圧治療についてをご覧ください。
病院と家で血圧が違うことは珍しくありません
血圧は常に同じ数値ではありません。
例えば、
・病院で緊張している
・急いで歩いてきた直後に測った
・測定中に会話をしている
・睡眠不足が続いている
・仕事や家庭でストレスを感じている
・寒い場所にいる
・喫煙やカフェイン摂取の直後である
といった状況によって、血圧は変動します。
そのため、高血圧の診断は「病院で一度血圧が高かった」という理由だけで決めるものではありません。
診察室で測った血圧と、自宅で日常的に測った家庭血圧をあわせて評価することが大切です。
高血圧を考える目安は、一般的に次のようになります。
| 測定場所 | 高血圧を考える目安 |
|---|---|
| 診察室血圧 | 140/90mmHg以上 |
| 家庭血圧 | 135/85mmHg以上 |
「病院で測った血圧」と「家で測った血圧」の組み合わせによって、血圧のタイプが異なります。
白衣高血圧とは?
白衣高血圧とは、病院やクリニックでは血圧が高いものの、家庭では高血圧ではない状態です。
例えば、
病院:150/92mmHg
自宅:125/75mmHg
というようなケースです。
医師や看護師の前で緊張すると交感神経が活発になり、一時的に血圧が上昇することがあります。
「病院に来るだけで緊張する」
「血圧計を見るとドキドキする」
という方では、特にこのような差が生じることがあります。
病院だけで血圧が高いからといって、必ずしも普段から高血圧であるとは限りません。
ただし、自己判断で「緊張しているだけだから問題ない」と決めてしまうのもおすすめできません。
診察室と家庭の両方の血圧を記録し、本当に白衣高血圧なのかを確認することが大切です。
白衣高血圧なら治療しなくても大丈夫?
白衣高血圧と考えられる場合、すべての方がすぐに降圧薬を飲むわけではありません。
家庭血圧や年齢、生活習慣、糖尿病・脂質異常症などの有無、腎機能、心血管疾患のリスクなどを総合的に確認して対応を決めます。
一方で、白衣高血圧だった方が、その後持続的な高血圧へ移行することもあります。
そのため、
「家では正常だから、今後は血圧を測らなくていい」
ということではありません。
家庭血圧を定期的に測定し、変化がないか確認していくことが重要です。
また、健診や医療機関で血圧の高さを繰り返し指摘される場合には、一度家庭血圧の記録を持って内科へ相談することをおすすめします。
仮面高血圧とは?
仮面高血圧は白衣高血圧とは反対で、病院では血圧が正常範囲でも、家庭や日常生活では血圧が高くなっている状態です。
例えば、
病院:128/78mmHg
自宅:142/88mmHg
というようなケースです。
病院では正常に見えるため、高血圧が「仮面をかぶって隠れている」ように見えることから仮面高血圧と呼ばれます。
仮面高血圧は診察室で血圧を測るだけでは見つけにくいため、家庭血圧が非常に重要になります。
「健診では正常だったから大丈夫」
と思っていても、自宅で繰り返し135/85mmHg以上になる場合には注意が必要です。
仮面高血圧はなぜ注意が必要?
仮面高血圧では、病院にいる短い時間は血圧が正常でも、日常生活の中では血圧が高い状態が続いている可能性があります。
高い血圧が長時間続けば、血管や心臓、腎臓などに負担がかかります。
特に、
・朝起きたときに血圧が高い
・仕事中に血圧が上がる
・強いストレスが続いている
・喫煙習慣がある
・飲酒量が多い
・糖尿病や腎機能低下がある
・睡眠時無呼吸症候群がある
といった場合には、診察室以外で血圧が高くなるケースがあります。
病院での血圧が正常だったとしても、家庭で高い状態が続いている場合には、その記録を医師へ見せることが大切です。
いびきや日中の強い眠気、睡眠中に呼吸が止まることを指摘されたことがある方は、睡眠時無呼吸症候群についてもご覧ください。
「白衣高血圧」と「仮面高血圧」の違い
2つの違いを整理すると、次のようになります。
| 血圧のタイプ | 病院 | 家庭 |
| 正常 | 高くない | 高くない |
| 白衣高血圧 | 高い | 高くない |
| 仮面高血圧 | 高くない | 高い |
| 持続性高血圧 | 高い | 高い |
「病院で高いから高血圧」
「病院で正常だから高血圧ではない」
と単純に判断できないことが、この表からも分かります。
特に病院では正常でも家庭で血圧が高い仮面高血圧は、医療機関での測定だけでは見逃される可能性があります。
そのため、血圧が気になる方には家庭血圧の測定をおすすめします。
家庭血圧はどのように測ればいい?
家庭血圧は、できるだけ毎日同じ条件で測定することが大切です。
基本的には朝と夜に測定します。
朝は、
・起床後1時間以内
・排尿後
・朝食前
・降圧薬を飲んでいる方は服薬前
・座って少し安静にしてから
測定します。
夜は、
・就寝前
・座って安静にしてから
測定しましょう。
家庭用血圧計は、原則として上腕にカフを巻くタイプがおすすめです。
測定するたびに条件が大きく違うと数値を比較しにくいため、なるべく同じ時間帯・同じ姿勢で測定します。
1日だけではなく、複数日にわたって記録すると、普段の血圧の傾向が分かりやすくなります。
測定した数値は、
・血圧手帳
・ノート
・スマートフォンのメモ
・血圧管理アプリ
などに残して、受診時に医師へ見せてください。
高血圧の診断方法や家庭血圧についてさらに詳しく知りたい方は、国分寺市の高血圧治療についてもあわせてご覧ください。
「135/85」と「125/75」の違いは?
最近、高血圧について調べて、
「家庭血圧は135/85mmHg以上が高血圧と書いてある」
一方で、
「125/75mmHg未満を目指すと書いてある」
ため、混乱される方もいるかもしれません。
これは、高血圧を診断するときの基準と、高血圧と診断された方が治療によって目指す血圧は別だからです。
家庭血圧135/85mmHg以上は、高血圧を考える診断上の目安です。
一方、日本高血圧学会の「高血圧管理・治療ガイドライン2025」では、高血圧治療中の原則的な降圧目標として、家庭血圧125/75mmHg未満が示されています。
ただし、実際の治療目標は年齢や体調、合併症、ふらつきなどの副作用リスクを考慮して個別に設定します。
数値だけを見て自己判断で薬を増減したり、必要以上に血圧を下げようとしたりせず、医師と相談しながら管理することが大切です。
家の血圧と病院の血圧、どちらを信用すればいい?
「結局、病院と家のどちらが本当の血圧なの?」
という疑問を持つ方も多いと思います。
どちらか一方が「間違い」というわけではありません。
診察室血圧には診察室血圧の情報があり、家庭血圧には日常生活に近い状態を確認できるというメリットがあります。
重要なのは、両方の数値を比較することです。
特に家庭血圧は、
・複数日の血圧を確認できる
・朝と夜の違いが分かる
・白衣高血圧を見つけやすい
・仮面高血圧を見つけやすい
・治療中の血圧の変化を確認しやすい
というメリットがあります。
「病院ではいつも高い」
「病院では正常と言われるけれど、自宅では高い」
という方は、家庭血圧の記録を医師へ伝えることが重要です。
こんな場合は一度ご相談ください
次のような場合には、内科への相談をおすすめします。
・病院や健診では毎回血圧が高い
・病院では正常なのに、家庭血圧が135/85mmHg以上になることが多い
・家と病院で血圧が大きく違う
・朝だけ血圧が高い
・血圧の変動が大きい
・以前から高血圧を指摘されている
・高血圧の薬を飲んでいるのに家庭では高い
・糖尿病や脂質異常症も指摘されている
・いびきや睡眠時無呼吸を指摘されている
血圧だけではなく、必要に応じて血液検査、尿検査、心電図などを行い、心臓・腎臓・血管への影響や他の生活習慣病についても確認します。
心臓や血管について詳しい評価が必要な場合には、国分寺なみき内科クリニックの循環器内科もご覧ください。
国分寺市で家庭血圧と病院の血圧の違いが気になる方へ
「病院では150なのに家では120台だから、本当に高血圧なのか分からない」
「健診では正常なのに、自宅では毎朝140を超えている」
こうした場合、どちらか一方の血圧だけで自己判断せず、家庭血圧と診察室血圧をあわせて評価することが大切です。
国分寺なみき内科クリニックでは、高血圧をはじめ、糖尿病・脂質異常症などの生活習慣病について診療しています。
家庭血圧を記録されている方は、受診時に血圧手帳やスマートフォンの記録をお持ちください。
過去の健康診断結果やお薬手帳がある場合には、そちらも一緒にお持ちいただくと診療の参考になります。
高血圧全般については、国分寺市の高血圧治療についてをご覧ください。
初めて受診される方は、予約方法・受診の流れもご確認いただけます。
まとめ
病院では血圧が高いのに家庭では正常な状態を「白衣高血圧」、反対に病院では正常なのに家庭では血圧が高い状態を「仮面高血圧」と呼びます。
血圧は測定する環境によって変化するため、病院で測った1回の血圧だけでは普段の状態を十分に把握できないことがあります。
特に仮面高血圧は、病院では正常に見えるため見逃されやすく、家庭血圧を確認することが重要です。
「家と病院で血圧が違うけれど大丈夫かな?」
と感じたら、まず家庭血圧を朝・夜に記録してみましょう。
その記録を医療機関へ持参することで、白衣高血圧なのか、仮面高血圧なのか、それとも継続的な高血圧なのかを判断する重要な手がかりになります。

■この記事の監修者
国分寺なみき内科クリニック
院長 鈴木 愛(すずき めぐみ)
<所属学会・専門医>
日本内科学会 総合内科専門医・指導医 / 日本血液学会 血液専門医
日本造血細胞移植学会 造血細胞移植認定医 / 日本輸血・細胞治療学会 / 日本臨床腫瘍学会臨床研修指導医 / がん診療に携わる医師に対する緩和ケア研修会修了
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