若いのにLDLコレステロールが高いのはなぜ?家族性高コレステロール血症にも注意

「まだ20代なのにLDLコレステロールが高いと言われた」

「30代でLDLが180もあるのは食生活が原因?」

「痩せているのに悪玉コレステロールだけ高い」

「両親もコレステロールの薬を飲んでいる」

このようなお悩みはありませんか?

LDLコレステロールが高いと、

「運動不足だから」

「脂っこいものを食べすぎているから」

と思われることがあります。

もちろん食事・運動・体重などの生活習慣は脂質に影響します。

しかし、若い頃からLDLコレステロールが高い方では、生活習慣だけではなく遺伝的な体質が関係している場合があります。

その代表が、家族性高コレステロール血症(FH:Familial Hypercholesterolemia)です。

FHでは、生まれつきLDLコレステロールを血液中から取り込む仕組みに異常があり、若い頃からLDLコレステロールが高い状態が続きます。

自覚症状がほとんどないため、

「健康診断で何年もLDLが高かったけれど放置していた」

ということも珍しくありません。

国分寺なみき内科クリニックでは、健康診断などでLDLコレステロール高値を指摘された方について、年齢・過去の検査値・家族歴などを確認し、必要に応じて再検査や治療を行っています。

この記事では、「若いのにLDLコレステロールが高い」方に焦点を絞り、原因や家族性高コレステロール血症、受診を検討したいケースについて解説します。

脂質異常症全体の原因・検査・治療については、
国分寺市の脂質異常症治療|コレステロール・中性脂肪が高い方へ
をご覧ください。

20代・30代でもLDLコレステロールは高くなる?

はい。

脂質異常症というと中高年の病気というイメージを持たれやすいですが、20代・30代でもLDLコレステロールが高くなることがあります。

若い方のLDL高値には、食生活や運動不足だけではなく、さまざまな原因が考えられます。

たとえば、

  • 遺伝的な体質
  • 飽和脂肪酸を多く含む食生活
  • 運動不足
  • 体重増加
  • 甲状腺機能低下症
  • 腎臓の病気
  • 糖尿病
  • 一部の薬剤

などです。

そのため、

「若いから問題ない」

とも、

「食生活が悪いから高いだけ」

とも限りません。

特に、生活習慣に大きな問題がないにもかかわらずLDLが非常に高い場合や、家族にもコレステロールが高い方がいる場合には、遺伝的な脂質異常症について確認することが大切です。

家族性高コレステロール血症(FH)とは?

家族性高コレステロール血症は、遺伝的な原因によってLDLコレステロールが高くなる病気です。

健康な方では、血液中のLDLコレステロールを肝臓などに取り込み、血液中に増えすぎないよう調整しています。

FHではこの仕組みに関係する遺伝子に異常があるため、血液中のLDLコレステロールが高くなります。

特徴的なのは、若い頃からLDLコレステロールが高い状態が続くことです。

LDLコレステロールが高い状態に長期間さらされることで、一般の方より若い時期から動脈硬化が進みやすくなるため、早期に発見して適切に管理することが重要です。

FHは非常にまれな病気と思われるかもしれませんが、一般人口でも一定数みられる遺伝性疾患です。

「自分には関係ない」と思わず、若い頃から著しいLDL高値がある場合には一度確認しましょう。

LDL180以上なら家族性高コレステロール血症?

LDL180mg/dL以上だから必ずFHというわけではありません。

ただし、日本動脈硬化学会の成人FH診断基準では、未治療時のLDLコレステロール180mg/dL以上が診断項目のひとつになっています。

成人のFHでは、主に以下を確認します。

  • 未治療時のLDLコレステロールが180mg/dL以上
  • アキレス腱などの腱黄色腫、または皮膚結節性黄色腫がある
  • 第一度近親者にFH、または若くして冠動脈疾患を発症した方がいる

これらを組み合わせて診断します。

つまり、

「LDL180だったからFH」ではなく、LDL値・身体所見・家族歴を合わせて判断する

ことが重要です。

また、すでにコレステロールの薬を服用している方では、治療前のLDL値が診断の参考になります。

健康診断でLDL140・160・180などを指摘された場合の一般的な考え方については、
健診でLDLコレステロールが高いと言われたら|どのくらいから受診が必要?
をご覧ください。

家族に心筋梗塞の人がいる場合は確認を

FHを考えるうえで非常に重要なのが家族歴です。

特に確認したいのは、

「家族にコレステロールが非常に高い人がいるか」

だけではありません。

家族に若くして心筋梗塞や狭心症を発症した方がいないか

も重要です。

日本動脈硬化学会の基準では、早発性冠動脈疾患について、

男性55歳未満、女性65歳未満

で発症した冠動脈疾患と定義しています。

たとえば、

「父親が50歳で心筋梗塞になった」

「母親が60歳前後で狭心症の治療を受けた」

「兄弟も若い頃からコレステロールの薬を飲んでいる」

といった場合には、受診時に必ず医師へ伝えてください。

家族歴は、ご自身の動脈硬化リスクを考えるうえで重要な情報です。

痩せているのにLDLが高いのはおかしい?

必ずしもおかしくありません。

LDLコレステロールは体重だけで決まるものではありません。

そのため、

「BMIは正常」

「運動もしている」

「太っていない」

という方でもLDLが高いことがあります。

特に遺伝的な要因が強い場合には、非常に健康的な生活をしていてもLDLが十分に下がらないことがあります。

これは、

「本人の努力が足りないから」ではありません。

逆に、痩せているからといって高いLDLを放置してよいわけでもありません。

若い・痩せている・自覚症状がないという場合でも、LDL高値が続いている場合には原因を確認しましょう。

若いうちからLDLが高いとなぜ問題なの?

LDLコレステロールによる動脈硬化は、現在の数値だけでなく、高い状態がどのくらい長く続いているかも重要です。

たとえば、

40歳になってからLDLが高くなった人と、

10代・20代からずっとLDLが高い人では、

血管が高いLDLにさらされてきた期間が異なります。

FHでは生まれた頃からLDLコレステロールが高いため、若いうちから動脈硬化が進みやすくなります。

それでも初期には自覚症状がほとんどありません。

そのため、

「若いし、胸も痛くないから大丈夫」

ではなく、若いからこそ早い段階で見つけて管理することに意味があります。

早期からLDLを適切に管理することで、将来的な心血管疾患のリスクを下げることが治療の大きな目的です。

アキレス腱が太いとFHの可能性がある?

FHの特徴のひとつに、腱黄色腫があります。

血液中のLDLコレステロールが長期間高い状態が続くことで、コレステロールが腱などに蓄積することがあります。

特に有名なのがアキレス腱です。

FHの方では、アキレス腱が通常より厚くなる場合があります。

また、手の甲・肘・膝などに黄色腫がみられることもあります。

ただし、

「アキレス腱が太くないからFHではない」

とは限りません。

若い患者さんでは、まだ明らかな腱黄色腫がみられない場合があります。

身体所見だけではなく、LDL値や家族歴を組み合わせて判断することが重要です。

家族性高コレステロール血症は遺伝する?

FHは遺伝性の病気です。

そのため、一人がFHと診断された場合には、ご両親・兄弟姉妹・お子さんなどの血縁者にもFHがないか確認することが重要です。

これを家族スクリーニングと呼びます。

ご自身が若い頃からLDL高値を指摘されている場合には、

「両親のコレステロールは高くないか」

「兄弟姉妹は健診で指摘されていないか」

「家族に若い心筋梗塞・狭心症はいないか」

を確認してみましょう。

逆に、

「父親がFHと診断された」

「母親が若い頃からLDL200以上だった」

という場合にも、ご自身の血液検査を確認することが大切です。

FHを早期に発見することは、一人の患者さんだけでなく、そのご家族の将来の心血管疾患予防にもつながります。

若い人のLDL高値は食事だけで様子を見ていい?

LDLの高さや動脈硬化リスクによって異なります。

比較的軽度のLDL高値で、遺伝性疾患が考えにくく、その他のリスクも少ない場合には、まず食事・運動など生活習慣を見直してから再検査する場合があります。

一方で、

若い頃から著しいLDL高値がある場合、特にFHが疑われる場合には「若いから薬はまだ早い」と単純に考えないことが重要です。

FHでは、高いLDLにさらされる期間そのものが問題になるためです。

治療については、

年齢、LDL値、家族歴、FHの可能性、その他の動脈硬化リスクなどを踏まえて判断します。

薬物療法について詳しくは、
コレステロールの薬は一生飲む?スタチンを始める目安と副作用を解説
をご覧ください。

家族性高コレステロール血症はどんな検査をする?

まず重要なのは血液検査です。

現在のLDLコレステロールだけではなく、可能であれば過去の健康診断などから未治療時のLDL値を確認します。

さらに、

家族歴、アキレス腱などの身体所見、その他の病気によってLDLが高くなっていないかを確認します。

必要に応じて専門医療機関で詳しい評価や遺伝学的検査を行う場合もあります。

なお、LDLコレステロールはFH以外にも、甲状腺機能低下症や一部の腎疾患などで高くなることがあります。

そのため、

LDLが高い=すべて遺伝性

と決めつけるのではなく、他の原因を除外することも大切です。

FHと診断されたら治療はどうする?

FHでは、生活習慣改善に加えて、LDLコレステロールを十分に下げる薬物治療が重要になります。

食生活や運動はもちろん大切ですが、FHは遺伝的な要因によってLDLが高くなるため、生活習慣改善だけでは十分にLDLが下がらないことがあります。

代表的な薬にはスタチンがあります。

患者さんのLDL値や治療効果に応じて、作用の異なる薬を組み合わせる場合もあります。

治療の目的は、

検査結果を正常に見せることではなく、長期的な動脈硬化を抑えて心筋梗塞などを予防すること

です。

そのため、治療を開始した場合には定期的に血液検査を行い、治療効果や副作用を確認しながら継続します。

若い方のLDL高値についてよくある質問

20代でLDL160でした。家族性高コレステロール血症でしょうか?

LDL160mg/dLだけではFHとは診断できません。過去のLDL値、家族歴、腱黄色腫などを確認します。ただし若い頃から高値が続いている場合には、一度医療機関で相談することをおすすめします。

30代でLDL180でした。受診した方がいいですか?

未治療時LDL180mg/dL以上は、成人FHの診断項目のひとつです。必ずFHという意味ではありませんが、そのまま放置せず家族歴や他の原因も含めて評価することをおすすめします。

痩せているのにLDLが200近くあります。食事のせいですか?

食事だけが原因とは限りません。遺伝的な要因や甲状腺・腎臓などの病気が関係している場合があります。

両親がコレステロールの薬を飲んでいます。自分も検査した方がいいですか?

ご両親がFHと診断されている場合や、若い頃から著しいLDL高値がある場合には、ご自身のLDL値も確認することをおすすめします。

家族に心筋梗塞の人がいます。関係ありますか?

特に男性55歳未満・女性65歳未満で冠動脈疾患を発症した血縁者がいる場合は、FHの診断や動脈硬化リスクを考えるうえで重要な情報です。受診時にお伝えください。

若くてもコレステロールの薬を飲むことはありますか?

あります。LDL値やFHの有無、その他の動脈硬化リスクなどを総合的に評価して判断します。

国分寺で「若いのにLDLが高い」と言われた方へ

20代・30代でLDLコレステロールが高いと、

「まだ若いから大丈夫」

「運動すればそのうち下がるだろう」

と考えてしまうかもしれません。

しかし、若い頃からLDL高値が続いている場合には、その後長い期間にわたって血管が高いLDLにさらされることになります。

特に、

  • 20代・30代からLDLが高い
  • LDL180mg/dL以上を指摘された
  • 痩せているのにLDLがかなり高い
  • 昔から健診のたびにコレステロールを指摘される
  • 両親や兄弟もLDLが高い
  • 家族に若くして心筋梗塞・狭心症になった方がいる

という場合には、一度原因を確認することをおすすめします。

国分寺なみき内科クリニックでは、LDLコレステロール高値について、

現在・過去の検査値の確認
→ 家族歴の確認
→ 生活習慣や二次的な原因の評価
→ 必要に応じた再検査
→ 動脈硬化リスクの評価
→ 生活習慣改善・薬物治療

という流れで診療します。

FHなど、より専門的な検査・治療が必要と判断した場合には、適切な専門医療機関と連携します。

国分寺市をはじめ、小平市・立川市・国立市周辺で、

「若いのにLDLが高い」

「家族性高コレステロール血症ではないか心配」

「親もコレステロールが高い」

「薬を始めるべきか相談したい」

という方はご相談ください。

脂質異常症全般については、
国分寺市の脂質異常症治療|コレステロール・中性脂肪が高い方へ
をご覧ください。

■この記事の監修者

国分寺なみき内科クリニック 

院長 鈴木 愛(すずき めぐみ)


<所属学会・専門医>
日本内科学会 総合内科専門医・指導医 / 日本血液学会 血液専門医
日本造血細胞移植学会 造血細胞移植認定医 / 日本輸血・細胞治療学会 / 日本臨床腫瘍学会臨床研修指導医 / がん診療に携わる医師に対する緩和ケア研修会修了

そんなときこそ、

まずは当院へお越しください。

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