血圧が急に高くなったらどうする?受診・救急受診の目安を解説

自宅で血圧を測って、
「いつも130くらいなのに、今日は170もある」
「急に180を超えてしまった」
「血圧が200近いけれど、救急車を呼んだ方がいい?」
「血圧の薬をもう1錠飲んだ方がいい?」
と不安になったことはありませんか?
血圧は常に一定ではなく、緊張・運動・寒さ・睡眠不足・痛み・ストレスなどによって一時的に上昇することがあります。
そのため、1回だけ高い数値が出たからといって、必ず重大な病気が起きているとは限りません。
一方で、非常に高い血圧とともに胸の痛み、息苦しさ、手足の麻痺、ろれつが回らないなどの症状がある場合には、脳卒中や心臓・大血管の病気など緊急性の高い状態が隠れている可能性があります。
大切なのは、血圧の数字だけを見るのではなく、「どのくらい高いか」と「症状があるか」を一緒に判断することです。
この記事では、自宅で血圧が急に高くなったときの対処法、再測定の方法、通常受診と救急受診の目安について、国分寺なみき内科クリニックが分かりやすく解説します。
高血圧そのものの原因・検査・治療について詳しく知りたい方は、国分寺市の高血圧治療についてをご覧ください。
血圧が急に高くなっても、まず慌てずに再測定しましょう
自宅で普段よりかなり高い血圧が表示されると、不安になって何度も続けて測ってしまう方がいます。
しかし、不安や緊張そのものによってさらに血圧が上昇することがあります。
まず、
・椅子に座る
・背もたれにもたれる
・足を組まない
・腕を心臓の高さに置く
・会話をしない
・静かに安静にする
ようにしましょう。
そのうえで、少し時間を置いてもう一度測定します。
例えば最初に、
175/100mmHg
と表示されても、直前まで歩いていたり、階段を上ったり、緊張していたりすると一時的に高くなっている可能性があります。
大切なのは、一度の数字だけで判断しないことです。
ただし、胸痛や呼吸困難、手足の麻痺など明らかな異常症状がある場合には、何度も血圧を測り直して様子を見ることを優先しないでください。
血圧が180/120mmHg以上だったらどうする?
自宅で、
上の血圧が180mmHg以上
または
下の血圧が120mmHg以上
という非常に高い数値が出た場合には注意が必要です。
まず安静にし、1分以上あけて再度血圧を測定してください。
再測定しても180/120mmHg以上の非常に高い状態が続く場合には、症状の有無を確認します。
症状がない場合
180/120mmHg以上であっても、胸痛・呼吸困難・麻痺などの急性臓器障害を疑う症状がなければ、血圧の数字だけを理由に必ず救急車が必要になるとは限りません。
ただし、放置してよい数値ではありません。
できるだけ早く医療機関へ連絡し、受診方法について相談してください。
特に、
・初めて180以上になった
・再測定しても下がらない
・最近急激に血圧が上昇している
・高血圧の治療を受けている
・腎臓病や心臓病がある
場合には早めの評価が必要です。
症状がある場合
非常に高い血圧とともに、
・胸の痛み
・強い息苦しさ
・突然の激しい頭痛
・意識がおかしい
・片側の手足が動かしにくい
・顔の片側が動かしにくい
・ろれつが回らない
・言葉が出てこない
・急に見えにくくなった
・突然強い背中や胸の痛みが出た
などがある場合には、脳卒中、急性冠症候群、大動脈解離、急性心不全など緊急性の高い病気が隠れている可能性があります。
このような場合には、通常の外来受診を待たず、119番への連絡を検討してください。
特に脳卒中を疑う症状では、血圧の数値にかかわらず早急な対応が必要です。
血圧200でも症状がなければ大丈夫?
「血圧が200を超えたけれど、頭痛もないから大丈夫?」
と思うかもしれません。
症状がないからといって、そのまま何日も放置することはおすすめできません。
一方、
「200を超えた=必ず救急車」
とも限りません。
重要なのは、
・安静にして再測定しても高いか
・胸痛や息苦しさなどの症状があるか
・普段の血圧との差がどのくらいか
・高血圧の治療中か
・心臓病、腎臓病などがあるか
を確認することです。
例えば普段130mmHg程度の方が突然200mmHg近くまで上昇し、再測定しても同程度であれば、症状がなくても速やかに医療機関へ相談することをおすすめします。
逆に、不安になって何度も血圧を測ることで、さらに血圧が高くなることもあります。
測定値だけを見続けるのではなく、全身状態を確認しましょう。
血圧が急に高くなる原因は?
血圧はさまざまな理由で一時的に上昇します。
例えば、
・強い緊張や不安
・仕事や家庭でのストレス
・睡眠不足
・寒さ
・強い痛み
・運動直後
・喫煙
・カフェイン摂取
・飲酒
・塩分の多い食事
・薬の飲み忘れ
などです。
また、風邪薬や一部の鎮痛薬など、使用している薬が血圧に影響することもあります。
ただし、
「今日はストレスがあったからだろう」
と自己判断し、何度も非常に高い血圧が出ている状態を放置することはおすすめできません。
特に、
・以前は正常だったのに急に高くなった
・160~180mmHg以上が続く
・薬を飲んでも高い
・若いのに非常に高い血圧が続く
といった場合には、二次性高血圧など別の原因が隠れていないか確認することがあります。
高血圧の薬を飲んでも血圧が下がらない方は、血圧の薬を飲んでも下がらないのはなぜ?考えられる原因と受診の目安もご覧ください。
急に高くなったとき、血圧の薬をもう1錠飲んでもいい?
自己判断で追加服用することはおすすめできません。
例えば、
「いつも朝1錠だから、血圧が180ある今日はもう1錠飲もう」
「以前飲んでいた薬が残っているので追加しよう」
と考える方がいます。
しかし、薬の種類によって効果が出るまでの時間や持続時間が異なります。
自己判断で追加すると、その後血圧が必要以上に低下して、
・めまい
・ふらつき
・失神
・転倒
などにつながる可能性があります。
また、血圧が非常に高いからといって、短時間で急激に正常値まで下げればよいとは限りません。
どの程度の速度で血圧を下げるべきかは、その原因や臓器障害の有無によって異なります。
そのため、
「高いから追加で飲む」
のではなく、医師からあらかじめ指示を受けている場合を除き、自己判断で薬を増減しないようにしましょう。
薬が切れてしまった、あるいは治療自体を中断している方は、高血圧の治療を中断してしまった方へ|薬をやめたままでも大丈夫?もご覧ください。
頭痛があるときは高血圧が原因?
血圧が高いときに頭痛があると、
「高血圧のせいで頭が痛い」
と思うかもしれません。
しかし、頭痛や痛みによるストレスによって血圧が上昇している場合もあり、血圧が高いから頭痛が起きているとは限りません。
重要なのは頭痛の「程度」と「出方」です。
特に、
・突然発症した非常に強い頭痛
・今まで経験したことのない頭痛
・麻痺やしびれを伴う
・ろれつが回らない
・意識がおかしい
・嘔吐を繰り返す
といった場合には、血圧の数値だけで判断せず緊急性の高い病気を考える必要があります。
「血圧が下がれば頭痛も治るだろう」と自宅で長時間様子を見ず、必要に応じて救急受診を検討してください。
胸痛や息苦しさがある場合は血圧だけの問題と考えない
高い血圧とともに胸の痛みや息苦しさがある場合には注意が必要です。
高血圧の緊急症では、
・急性心筋梗塞などの急性冠症候群
・急性心不全
・大動脈解離
などが関係する場合があります。
特に、
「突然胸が強く痛くなった」
「胸から背中にかけて激痛がある」
「横になると苦しいほど息が切れる」
「冷や汗をかいている」
などの場合には、家庭で血圧を何度も測り続けるよりも救急対応を優先してください。
高血圧による心臓や血管への影響について詳しく知りたい方は、循環器内科についてもご覧ください。
160~170mmHgくらいなら受診しなくてもいい?
180mmHg未満であれば安心という意味ではありません。
家庭血圧で160~170mmHg程度が繰り返し出ている場合も、通常の管理目標から大きく外れています。
特に、
・数日間続いている
・以前より明らかに高くなった
・高血圧の薬を飲んでいる
・糖尿病や腎臓病がある
・心臓病や脳卒中の既往がある
場合には、早めに医療機関へ相談しましょう。
一方、一度だけ160mmHgになり、その後安静にして測ると130~140mmHg程度まで戻ったという場合には、一時的な上昇の可能性もあります。
その場合も朝・夜の家庭血圧を記録し、同じことが繰り返されていないか確認してください。
夜中や早朝に急に血圧が高くなる場合は?
夜間や起床直後に血圧が高くなる方もいます。
特に朝の血圧が繰り返し高い場合には、「早朝高血圧」が関係している可能性があります。
また、
・大きないびき
・睡眠中の無呼吸
・日中の強い眠気
などがある場合には、睡眠時無呼吸症候群が血圧に影響していることもあります。
朝の血圧が高い状態が続く方は、朝だけ血圧が高いのはなぜ?早朝高血圧の原因と受診の目安をご覧ください。
いびきや無呼吸も気になる方は、国分寺市の睡眠時無呼吸症候群(SAS)についてもご確認ください。
血圧が急に高くなったときにやってはいけないこと
血圧が非常に高いと不安になりますが、次のような行動は避けましょう。
・自己判断で降圧薬を追加する
・他人の血圧の薬を飲む
・以前処方された古い薬を自己判断で飲む
・何十回も続けて血圧を測る
・熱いお風呂に入る
・激しい運動をして血圧を下げようとする
・飲酒してリラックスしようとする
・症状があるのに長時間様子を見る
まず安静にして血圧を再確認し、症状の有無を確認してください。
非常に高い血圧が続く場合は医療機関へ相談し、緊急性の高い症状があれば救急受診を検討します。
「血圧が高いとき」の受診目安を整理
自宅で血圧が高かったときの考え方を整理すると、次のようになります。
| 状況 | 対応の目安 |
|---|---|
| 1回だけ普段より高い・症状なし | 安静にして再測定し、記録する |
| 140~159程度が繰り返す | 家庭血圧を記録し、通常の外来で相談 |
| 160~179程度が続く | 放置せず、早めに医療機関へ相談 |
| 180/120mmHg以上が再測定でも続く・症状なし | 速やかに医療機関へ連絡・相談 |
| 非常に高い血圧+胸痛・息苦しさ・麻痺・言語障害・意識障害など | 119番を含め緊急対応を検討 |
| 血圧値にかかわらず脳卒中・心筋梗塞などを疑う明らかな症状 | 救急対応を優先 |
※この表は一般的な目安です。年齢、妊娠、基礎疾患、普段の血圧などによって対応は異なります。
国分寺市で急に血圧が高くなった方へ
「最近まで130台だったのに、急に160~170になった」
「自宅で180を超えて驚いた」
「薬を飲んでいるのに血圧が急に高くなった」
という場合には、数値だけを見て自己判断するのではなく、家庭血圧の経過や症状を含めて確認することが大切です。
国分寺なみき内科クリニックでは、高血圧について、
・家庭血圧
・現在の降圧薬
・薬の飲み忘れ
・生活習慣
・体重変化
・腎機能
・他の薬の影響
・必要に応じた二次性高血圧の評価
などを確認しながら診療します。
受診される際には、可能であれば、
・最近の家庭血圧の記録
・お薬手帳
・健康診断結果
・過去の検査結果
をお持ちください。
ただし、胸痛、強い息苦しさ、麻痺、ろれつが回らない、意識がおかしいなどの症状がある場合には、当院の通常診療を待つのではなく救急対応を優先してください。
高血圧全般については、国分寺市の高血圧治療についてをご覧ください。
まとめ
血圧が急に高くなったときに大切なのは、数字だけを見て慌てないことと、危険な症状を見逃さないことです。
1回だけ高かった場合には、まず安静にして再測定します。
一方、180/120mmHg以上の非常に高い血圧が再測定しても続く場合には、症状がなくても速やかに医療機関へ相談してください。
さらに、
・胸の痛み
・強い息苦しさ
・突然の激しい頭痛
・片側の手足の麻痺や脱力
・ろれつが回らない
・意識がおかしい
・急な視覚異常
・突然の激しい胸・背中の痛み
などを伴う場合には、緊急性の高い病気が隠れている可能性があります。
このようなときは、「血圧が自然に下がるか待つ」のではなく、119番を含めた救急対応を検討してください。
また、血圧が高いからといって自己判断で薬を追加することは避けましょう。
血圧が急に上がった理由を確認し、その後も高い状態が続いている場合には、家庭血圧の記録を持って医療機関へ相談することが大切です。
参考:
日本高血圧学会「高血圧管理・治療ガイドライン2025」

■この記事の監修者
国分寺なみき内科クリニック
院長 鈴木 愛(すずき めぐみ)
<所属学会・専門医>
日本内科学会 総合内科専門医・指導医 / 日本血液学会 血液専門医
日本造血細胞移植学会 造血細胞移植認定医 / 日本輸血・細胞治療学会 / 日本臨床腫瘍学会臨床研修指導医 / がん診療に携わる医師に対する緩和ケア研修会修了
「症状が気になるけれど、
どこへ行けばいいかわからない」
そんなときこそ、
まずは当院へお越しください。
地域のかかりつけ医として、
皆様の健康を支えてまいります。
● 発熱外来は予約不要で受診可能(待ち時間削減のため、予約推奨)
● オンライン診療や在宅医療も可能
● 健康診断・予防接種にも対応







