高血圧の治療を中断してしまった方へ|薬をやめたままでも大丈夫?

以前、高血圧と診断されて治療を受けていたものの、
「仕事が忙しくて通院しなくなった」
「薬がなくなってから、そのままになっている」
「血圧が正常になったので自分で薬をやめた」
「引っ越しをしてから新しい病院を受診していない」
「半年以上空いてしまい、今さら病院へ行きづらい」
という方はいらっしゃいませんか?
高血圧は、自覚症状がほとんどないまま進行することが多い病気です。
そのため、薬をやめたり通院を中断したりしても体調が変わらず、
「特に症状がないから大丈夫」
と思ってしまうことがあります。
しかし、治療を中断している間に血圧が再び高くなっている可能性があります。
高血圧は長期間続くことで血管や心臓、脳、腎臓などへ負担をかけるため、治療を中断している方は一度現在の血圧を確認することが大切です。
この記事では、高血圧の治療を中断してしまった方に向けて、薬をやめたままにするリスクや、再受診するときに確認することについて、国分寺なみき内科クリニックが分かりやすく解説します。
高血圧そのものの原因・検査・治療について詳しく知りたい方は、国分寺市の高血圧治療についてをご覧ください。
高血圧の治療を中断するとどうなる?
高血圧の治療を中断したからといって、すぐにすべての方に症状が出るわけではありません。
むしろ、高血圧では症状がないことの方が多いため、
「薬を飲まなくても特に変わらない」
と感じることがあります。
しかし、薬によって血圧が正常に保たれていた場合、薬を中断すると再び血圧が上昇することがあります。
高い血圧が長期間続くと、血管へ負担がかかり、
・脳梗塞
・脳出血
・心筋梗塞
・狭心症
・心不全
・腎機能低下
などのリスクにつながります。
問題なのは、こうした変化が自覚症状のない状態で進んでいる可能性があることです。
「症状がない」という理由だけで高血圧が治ったとは判断できません。
血圧が正常になったので薬をやめました。大丈夫?
高血圧の薬を飲んでいるときに血圧が120~130mmHg程度まで下がると、
「血圧が正常になったから、もう薬はいらないのでは?」
と思うかもしれません。
しかし、薬を飲んでいる状態で血圧が正常になっている場合は、薬が効いているから血圧が適切に保たれている可能性があります。
薬をやめると、数日から数週間のうちに再び血圧が高くなることもあります。
これは薬に「依存した」からではありません。
もともとの高血圧の原因や体質が残っているため、薬の効果がなくなることで血圧が元の状態へ戻る場合があるということです。
生活習慣の改善や減量などによって血圧が長期間安定し、医師の判断で薬を減らしたり中止したりできる方もいます。
ただし、血圧が正常になったという理由だけで自己判断で薬を中止することは避けましょう。
薬がなくなって数週間・数か月経っていても受診した方がいい?
はい。
高血圧の薬がなくなってから時間が経っている場合でも、一度現在の状態を確認することをおすすめします。
特に、
・以前140/90mmHg以上を繰り返し指摘されていた
・複数の血圧の薬を飲んでいた
・家庭血圧が135/85mmHg以上になることが多い
・糖尿病や脂質異常症がある
・腎機能低下を指摘されたことがある
・脳卒中や心臓病の治療歴がある
・家族に脳卒中や心筋梗塞になった方がいる
といった場合には、長期間放置しないことが大切です。
治療を中断していた期間が半年、1年、数年と長くなっていても、再受診することはできます。
「長く空いてしまったから怒られるのではないか」
「今さら受診しづらい」
と心配する必要はありません。
まず現在の血圧や全身の状態を確認するところから、もう一度始めましょう。
以前飲んでいた薬を自分で再開してもいい?
以前処方されていた血圧の薬が自宅に残っている場合、
「とりあえず前の薬を飲み始めればいいのでは?」
と思うことがあります。
しかし、長期間治療を中断していた場合には、自己判断で古い薬を再開するのではなく、一度医療機関へ相談することをおすすめします。
治療を中断している間に、
・体重が変化している
・腎機能が変化している
・他の病気が見つかっている
・新しい薬を飲み始めている
・以前とは血圧の程度が変わっている
可能性があります。
そのため、以前とまったく同じ薬・同じ量が現在も適しているとは限りません。
現在の家庭血圧や血液検査、服用中の薬などを確認したうえで、必要な治療を検討することが大切です。
治療を中断している間は家庭血圧を測りましょう
高血圧の治療を中断している方には、まず家庭血圧を確認することをおすすめします。
基本的には朝と夜に測定します。
朝は、
・起床後1時間以内
・トイレを済ませたあと
・朝食前
・服薬前
に測定します。
夜は就寝前に、座って少し安静にしてから測定しましょう。
1回だけの数字ではなく、数日間記録することが大切です。
例えば、
「朝は145/90前後、夜は130/80くらい」
というような記録があると、医師が現在の血圧の状態を判断する参考になります。
家庭血圧では135/85mmHg以上が高血圧を考える目安になります。
家庭血圧の測り方や高血圧の診断について詳しく知りたい方は、国分寺市の高血圧治療についてもあわせてご覧ください。
血圧が高くても症状がないなら様子を見てもいい?
高血圧で特に注意したいのが、
「症状がないから大丈夫」と考えてしまうことです。
高血圧は「沈黙の病」とも呼ばれるように、かなり血圧が高くても頭痛やめまいなどの症状が出ない方がいます。
そのため、
「元気に仕事ができている」
「頭痛もない」
「体調は以前と変わらない」
ことだけでは、血圧が正常かどうかは判断できません。
治療を中断している方は、症状の有無ではなく実際の血圧を測って確認しましょう。
さらに、必要に応じて血液検査や尿検査などを行い、高血圧による体への影響がないか確認することも重要です。
こんな症状がある場合は早めに医療機関へ
血圧が高いだけで必ず緊急受診が必要になるわけではありません。
ただし、非常に高い血圧とともに、
・強い胸の痛み
・強い息苦しさ
・突然の激しい頭痛
・意識がぼんやりする
・片側の手足が動かしにくい
・顔の片側が動かしにくい
・ろれつが回らない
・急に見えにくくなった
などの症状がある場合には、通常の外来受診を待たず、救急受診が必要になることがあります。
特に脳卒中や心臓・大血管の病気を疑う症状がある場合には、様子を見続けないことが重要です。
再受診するとどのようなことを確認する?
高血圧の治療を中断したあとに再受診する場合、まず現在の血圧を確認します。
そのうえで、
・以前どのくらい血圧が高かったか
・どの薬を飲んでいたか
・いつごろ治療を中断したか
・家庭血圧がどの程度か
・現在飲んでいる他の薬
・体重や生活習慣の変化
・糖尿病や脂質異常症などの有無
などを確認します。
必要に応じて、
・血液検査
・尿検査
・心電図
・腎機能の評価
・血糖値やHbA1c
・コレステロールや中性脂肪
なども確認します。
高血圧は単独で存在するだけでなく、糖尿病や脂質異常症など他の生活習慣病と重なっていることがあります。
治療を中断している期間が長い場合には、血圧だけではなく全身の状態を確認することが大切です。
以前とは別のクリニックでも治療を再開できる?
「以前通っていた病院が遠くなった」
「引っ越したため通院できなくなった」
「通勤経路が変わって以前のクリニックへ行きにくくなった」
という理由で治療を中断している方もいらっしゃいます。
高血圧の治療は、以前とは別の医療機関でも再開できます。
その際、
・以前のお薬手帳
・過去の健康診断結果
・以前の検査結果
・家庭血圧の記録
などがあれば、受診時にお持ちください。
すべてそろっていなくても受診はできますので、「資料がないから受診できない」と考える必要はありません。
国分寺なみき内科クリニックを初めて受診される方は、予約方法・受診の流れもご確認ください。
糖尿病や脂質異常症の治療も中断していませんか?
高血圧の治療を中断している方では、糖尿病や脂質異常症についても健診や検査を受けていないことがあります。
高血圧、糖尿病、脂質異常症は、いずれも動脈硬化と深く関係する生活習慣病です。
複数の病気が重なると、脳卒中や心血管疾患のリスクがさらに高くなることがあります。
以前、
「血糖値も高いと言われていた」
「HbA1cを指摘されていた」
という方は、糖尿病についてもご覧ください。
「LDLコレステロールが高い」
「中性脂肪が高い」
と言われていた方は、脂質異常症についてもあわせてご確認ください。
血圧だけではなく、血糖・脂質・腎機能・体重などをまとめて確認することが大切です。
治療を再開したら一生薬を飲み続ける?
再受診をためらう理由として、
「また薬を飲み始めたら一生やめられないのでは?」
という不安を持つ方もいます。
高血圧の薬がどのくらい必要になるかは、一人ひとり異なります。
生活習慣の改善や減量などによって血圧が安定し、医師の判断で薬を減らせる場合もあります。
一方で、体質や年齢、合併症などによっては継続的な薬物治療が必要な場合もあります。
大切なのは、
「薬を飲むか飲まないか」
だけではなく、
現在の血圧を安全な範囲に管理し、将来の脳卒中や心臓病などを予防することです。
薬を減らしたい、できれば生活習慣改善から取り組みたいという希望がある場合には、受診時に医師へご相談ください。
国分寺市で高血圧の治療を中断している方へ
「薬がなくなってから半年以上経っている」
「血圧が下がったので、自分で薬をやめてしまった」
「以前高血圧で通院していたけれど、最近は病院へ行っていない」
という場合でも、再び治療を始めることはできます。
国分寺なみき内科クリニックでは、高血圧をはじめ、糖尿病・脂質異常症などの生活習慣病について診療しています。
治療を中断していた期間が長い場合でも、まず現在の家庭血圧や健康状態を確認するところから始めます。
受診される際には、可能であれば、
・朝と夜の家庭血圧の記録
・以前のお薬手帳
・健康診断結果
・過去の検査結果
などをお持ちください。
資料が手元に残っていなくても受診できます。
「しばらく通院していなかったから受診しづらい」と先延ばしにせず、一度現在の血圧を確認してみましょう。
まとめ
高血圧の治療を中断しても、すぐに体調が悪くなるとは限りません。
しかし、症状がないまま血圧が再び高くなり、血管や心臓、脳、腎臓へ負担がかかっている可能性があります。
特に、
・薬が切れたままになっている
・血圧が正常になったため自己判断で薬を中止した
・数か月~数年間通院していない
・家庭血圧が135/85mmHg以上になることが多い
という方は、一度現在の状態を確認することをおすすめします。
長期間治療を中断していたとしても、再受診が遅すぎるということはありません。
家庭血圧を測り、現在の血圧や体の状態を確認するところから治療を再開していきましょう。
参考:日本高血圧学会「高血圧管理・治療ガイドライン2025」

■この記事の監修者
国分寺なみき内科クリニック
院長 鈴木 愛(すずき めぐみ)
<所属学会・専門医>
日本内科学会 総合内科専門医・指導医 / 日本血液学会 血液専門医
日本造血細胞移植学会 造血細胞移植認定医 / 日本輸血・細胞治療学会 / 日本臨床腫瘍学会臨床研修指導医 / がん診療に携わる医師に対する緩和ケア研修会修了
「症状が気になるけれど、
どこへ行けばいいかわからない」
そんなときこそ、
まずは当院へお越しください。
地域のかかりつけ医として、
皆様の健康を支えてまいります。
● 発熱外来は予約不要で受診可能(待ち時間削減のため、予約推奨)
● オンライン診療や在宅医療も可能
● 健康診断・予防接種にも対応







