高血圧と睡眠時無呼吸症候群の関係|いびき・朝の高血圧がある方は要注意

「血圧の薬を飲んでいるのに、なかなか下がらない」

「病院では正常なのに、朝起きたときの血圧が高い」

「家族からいびきが大きいと言われる」

「寝ているときに呼吸が止まっていると言われた」

このような方では、高血圧の背景に「睡眠時無呼吸症候群(SAS)」が隠れていることがあります。

睡眠時無呼吸症候群というと、

「いびきがひどい病気」

「昼間に眠くなる病気」

というイメージを持つ方も多いかもしれません。

しかし、睡眠中に繰り返し呼吸が止まることで体内の酸素が不足し、交感神経が活発になるため、血圧にも影響します。

特に、

・朝の血圧が高い
・夜間の血圧が高い
・複数の薬を飲んでも血圧が下がりにくい

といった方では、睡眠の状態を確認することが重要です。

この記事では、高血圧と睡眠時無呼吸症候群の関係や、どのような方が検査を検討した方がよいのかについて、国分寺なみき内科クリニックが分かりやすく解説します。

高血圧そのものの原因・検査・治療については、国分寺市の高血圧治療についてをご覧ください。

睡眠時無呼吸症候群(SAS)とは?

睡眠時無呼吸症候群(SAS)は、睡眠中に呼吸が繰り返し止まったり、浅くなったりする病気です。

特に多いのが「閉塞性睡眠時無呼吸症候群」で、睡眠中に舌や喉の周囲の組織によって空気の通り道が狭くなり、呼吸が止まります。

代表的な症状には、

・大きないびき
・睡眠中の無呼吸
・息苦しくて目が覚める
・朝起きたときの頭痛
・熟睡した感じがしない
・日中の強い眠気
・集中力の低下

などがあります。

ただし、睡眠時無呼吸症候群があっても、

「昼間はそれほど眠くない」

という方もいます。

そのため、高血圧の状態から睡眠時無呼吸症候群が見つかることもあります。

睡眠時無呼吸症候群の症状・検査・治療そのものについて詳しく知りたい方は、国分寺市の睡眠時無呼吸症候群(SAS)についてをご覧ください。

なぜ睡眠時無呼吸症候群で血圧が高くなるの?

睡眠時無呼吸症候群では、睡眠中に呼吸が何度も止まります。

呼吸が止まると体内に取り込まれる酸素が減少します。

すると体は、

「酸素が足りない」

と判断し、心拍数や血圧を上げて酸素を全身へ届けようとします。

このとき交感神経が活発になります。

さらに、

無呼吸

酸素不足

脳が覚醒する

呼吸が再開する

再び眠る

再び無呼吸になる

という状態が一晩に何度も繰り返されます。

そのたびに血圧や心拍数が変動するため、心臓や血管に負担がかかります。

通常は睡眠中に血圧が低下しますが、睡眠時無呼吸症候群があると、夜間にも血圧が十分に下がらないことがあります。

その結果、夜間から早朝にかけて血圧が高くなる場合があります。

「朝の血圧が高い人」は睡眠時無呼吸症候群に注意

睡眠時無呼吸症候群との関連で特に確認したいのが、朝の家庭血圧です。

例えば、

「夜は130くらいなのに、朝になると145~150になる」

「病院では正常なのに、朝の家庭血圧だけ高い」

という方がいます。

血圧は本来、睡眠中に低下し、朝の覚醒に伴って上昇します。

しかし睡眠時無呼吸症候群では、夜間の低酸素や交感神経の活性化によって、夜から朝にかけて血圧が高い状態になることがあります。

もちろん、

「朝の血圧が高い=睡眠時無呼吸症候群」

というわけではありません。

塩分、飲酒、ストレス、睡眠不足、寒さなど、朝の血圧が上がる原因はほかにもあります。

ただし、

朝の高血圧+いびき

朝の高血圧+無呼吸

朝の高血圧+日中の眠気

などがある場合には、睡眠時無呼吸症候群も一度考えてみることが重要です。

朝の血圧について詳しくは、朝だけ血圧が高いのはなぜ?早朝高血圧の原因と受診の目安をご覧ください。

血圧の薬を飲んでも下がらない場合にも注意

高血圧の薬を飲んでいるにもかかわらず血圧が十分に下がらない場合、睡眠時無呼吸症候群が関係していることがあります。

特に、

・複数の降圧薬を飲んでいる
・薬をきちんと服用している
・塩分にも気をつけている
・それでも家庭血圧が高い

という場合には、高血圧の背景に別の原因が隠れていないか確認することがあります。

その一つが睡眠時無呼吸症候群です。

血圧が下がらないからといって、単純に、

「もっと強い薬にすればいい」

「薬をもう1錠増やせばいい」

というわけではありません。

家庭血圧、薬の飲み方、塩分、体重、飲酒、他の薬の影響などを確認したうえで、必要に応じて睡眠時無呼吸症候群やその他の二次性高血圧について調べることが重要です。

血圧の薬を飲んでも下がらない方は、血圧の薬を飲んでも下がらないのはなぜ?考えられる原因と受診の目安もあわせてご覧ください。

こんな高血圧の方はSASを疑うサインがあります

高血圧がある方で、次のような症状・特徴がある場合には、睡眠時無呼吸症候群が隠れていないか確認してみましょう。

・家族から大きないびきを指摘される
・寝ている間に呼吸が止まっていると言われる
・夜中に息苦しくなって目が覚める
・朝起きたときに頭が重い
・朝の血圧が特に高い
・昼間に強い眠気がある
・十分寝ても疲れが取れない
・肥満がある
・夜間に何度もトイレへ行く
・血圧の薬を複数飲んでも血圧が高い

特に、

「高血圧+いびき+無呼吸」

がそろっている場合には、睡眠について一度医療機関へ相談することをおすすめします。

また、ご本人はいびきや無呼吸に気づいていないこともあります。

家族やパートナーから、

「寝ている間に息が止まっている」

「いびきが止まったあと、急に大きく息をしている」

と指摘された場合には、その情報も受診時に医師へ伝えてください。

太っていなければ睡眠時無呼吸症候群にはならない?

「睡眠時無呼吸症候群は太っている人の病気」

と思われることがあります。

確かに、肥満は睡眠時無呼吸症候群の大きなリスク因子の一つです。

首や喉の周囲に脂肪がつくことで気道が狭くなりやすくなるためです。

しかし、肥満がなくても睡眠時無呼吸症候群になることがあります。

顎が小さい、舌が大きい、気道が狭いなど、骨格や喉の構造が関係する場合があるためです。

そのため、

「痩せているからSASではない」

とは判断できません。

体型にかかわらず、いびきや無呼吸を指摘されていて、高血圧がある場合には一度確認してみましょう。

SASの検査はどのようにする?

睡眠時無呼吸症候群が疑われる場合には、睡眠中の呼吸状態を調べます。

国分寺なみき内科クリニックでは、まずご自宅で行える簡易睡眠検査に対応しています。

検査機器を装着して一晩眠り、

・呼吸の状態
・鼻からの空気の流れ
・血中酸素の状態
・無呼吸や低呼吸の回数

などを確認します。

普段と同じ自宅で睡眠を取りながら検査できるため、

「入院しないと検査できないのでは?」

と心配されている方でも検査を始めやすい方法です。

簡易検査の結果によっては、より詳しい睡眠検査(PSG検査)が必要になる場合があります。

睡眠検査の具体的な流れやAHIについては、睡眠時無呼吸症候群の検査・治療についてをご確認ください。

睡眠時無呼吸症候群を治療すると血圧も下がる?

睡眠時無呼吸症候群が高血圧に影響している場合、SASを適切に治療することは血圧管理を考えるうえでも重要です。

中等症~重症の閉塞性睡眠時無呼吸症候群では、CPAP療法が代表的な治療方法です。

CPAPは睡眠中にマスクを装着し、空気を送り込むことで気道がふさがらないようにする治療です。

無呼吸・低呼吸を減らし、睡眠中の酸素状態や睡眠の質を改善することを目的とします。

その結果、高血圧を合併している方では血圧管理にも良い影響が期待できる場合があります。

ただし、

「CPAPを使えば血圧の薬が必ず不要になる」

というわけではありません。

血圧は、

・年齢
・遺伝
・塩分
・肥満
・飲酒
・運動
・腎機能
・他の病気

など、さまざまな要因によって決まるためです。

高血圧の薬を自己判断で減らしたり中止したりせず、家庭血圧を確認しながら治療を続けることが大切です。

高血圧とSASはどちらを先に治療する?

「高血圧と睡眠時無呼吸症候群の両方がある場合、どちらを先に治せばいいの?」

と思う方もいらっしゃるかもしれません。

基本的には、

どちらか一方だけではなく、両方を適切に管理することが重要です。

血圧が高ければ、減塩・運動・体重管理などの生活習慣改善や、必要に応じて降圧薬による治療を行います。

同時に睡眠時無呼吸症候群がある場合には、その程度に応じた治療を行います。

特に、

「血圧の薬だけ増え続けている」

という場合には、血圧を上げる背景因子がないか確認することが重要です。

高血圧とSASを別々の病気として考えるのではなく、睡眠を含めて全身を管理していきましょう。

いびきだけでも検査を受けた方がいい?

いびきがあるだけで、すべての方が睡眠時無呼吸症候群というわけではありません。

しかし、

・いびきが非常に大きい
・いびきが突然止まる
・呼吸が止まると言われる
・日中の眠気がある
・朝の頭痛がある
・高血圧がある

という場合には、一度SASの可能性について相談してみてもよいでしょう。

特に高血圧の方では、

「眠気がないから検査は必要ない」

と考えず、いびき・無呼吸・朝の血圧などを含めて判断することが大切です。

国分寺市で高血圧といびき・無呼吸が気になる方へ

「高血圧の薬を飲んでいるのに朝の血圧が高い」

「血圧がなかなか安定しない」

「家族からいびきや無呼吸を指摘されている」

このような場合には、高血圧だけではなく睡眠についても確認してみることをおすすめします。

国分寺なみき内科クリニックでは、高血圧などの生活習慣病の診療とあわせて、睡眠時無呼吸症候群の検査・治療にも対応しています。

当院では、まずご自宅で実施できる簡易睡眠検査から始めることができます。

検査結果に応じて、より詳しい検査やCPAP治療などを検討します。

高血圧と睡眠時無呼吸症候群を別々に考えるのではなく、

・家庭血圧
・薬の服用状況
・体重
・生活習慣
・いびき
・無呼吸
・睡眠の状態

などを総合的に確認することが大切です。

受診される際には、可能であれば朝・夜の家庭血圧の記録とお薬手帳をお持ちください。

睡眠時無呼吸症候群の検査やCPAP治療について詳しくは、国分寺市の睡眠時無呼吸症候群(SAS)についてをご覧ください。

まとめ

睡眠時無呼吸症候群は、いびきや日中の眠気だけの病気ではありません。

睡眠中に無呼吸と酸素不足を繰り返すことで交感神経が活発になり、血圧にも影響します。

特に、

・朝の血圧が高い
・夜間の血圧が高い
・複数の降圧薬を飲んでも血圧が高い
・大きないびきがある
・睡眠中の無呼吸を指摘されている
・日中の眠気が強い

といった場合には、高血圧の背景に睡眠時無呼吸症候群が隠れていないか確認することが大切です。

「血圧が高いから血圧の薬だけを増やす」

という考え方ではなく、なぜ血圧が高い状態が続いているのかを確認しましょう。

高血圧といびき・無呼吸の両方が気になる方は、一度睡眠についてもご相談ください。

参考:
日本高血圧学会「高血圧管理・治療ガイドライン2025」

■この記事の監修者

国分寺なみき内科クリニック 

院長 鈴木 愛(すずき めぐみ)


<所属学会・専門医>
日本内科学会 総合内科専門医・指導医 / 日本血液学会 血液専門医
日本造血細胞移植学会 造血細胞移植認定医 / 日本輸血・細胞治療学会 / 日本臨床腫瘍学会臨床研修指導医 / がん診療に携わる医師に対する緩和ケア研修会修了

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