痩せていても睡眠時無呼吸症候群になる?肥満ではない方に起こる原因と検査の目安

「睡眠時無呼吸症候群は太っている人の病気だと思っていた」
「痩せているのに、家族からいびきや無呼吸を指摘された」
「肥満ではないから睡眠時無呼吸症候群ではないと思う」
このように考えていませんか?
確かに、肥満は睡眠時無呼吸症候群(SAS:Sleep Apnea Syndrome)の重要なリスク因子のひとつです。
しかし、痩せている方や標準体重の方でも睡眠時無呼吸症候群になることがあります。
睡眠時無呼吸症候群は体重だけで決まる病気ではなく、顎の大きさや位置、舌、扁桃、鼻の状態など、空気の通り道である「上気道」の形にも影響されるためです。
そのため、
「太っていないから睡眠時無呼吸症候群ではない」
と自己判断することはおすすめできません。
国分寺なみき内科クリニックでは、体型にかかわらず、いびき・無呼吸・日中の眠気などから睡眠時無呼吸症候群が疑われる方について診察し、必要に応じてご自宅で行える簡易睡眠検査をご案内しています。
この記事では、「痩せ型・肥満ではない方の睡眠時無呼吸症候群」に焦点を絞って、その原因や特徴、検査を考えた方がよい症状について解説します。
睡眠時無呼吸症候群全体の症状・検査・治療については、
睡眠時無呼吸症候群(SAS)の症状・検査・治療
をご覧ください。
痩せていても睡眠時無呼吸症候群になる?
結論からいうと、痩せていても睡眠時無呼吸症候群になることがあります。
睡眠時無呼吸症候群のうち多くを占める閉塞性睡眠時無呼吸では、眠っている間に空気の通り道である上気道が狭くなることで、無呼吸や低呼吸を繰り返します。
肥満になると首周囲などに脂肪がつくことで上気道が狭くなりやすくなるため、肥満は重要なリスク因子です。
一方で、上気道が狭くなる原因は肥満だけではありません。
たとえば、
- 顎が小さい
- 下顎が後ろに下がっている
- 舌が大きい
- 扁桃が大きい
- 鼻づまりがある
- 鼻中隔弯曲など鼻の通りに問題がある
といった特徴があると、肥満ではなくても睡眠中に気道が狭くなることがあります。
つまり、睡眠時無呼吸症候群は、
「体重」だけではなく「気道の広さ」も重要な病気
と考えると分かりやすいでしょう。
なぜ痩せている人でも睡眠中に呼吸が止まるの?
眠っている間は、起きているときより喉の周囲の筋肉が緩みます。
その際に、もともと気道が狭くなりやすい特徴があると、舌や喉の組織によって空気の通り道がさらに狭くなり、場合によっては一時的に塞がってしまいます。
痩せ型の方で特に考えられる要因を見てみましょう。
顎が小さい・下顎が後ろに下がっている
顎が小さい方や下顎が後方に位置している方では、舌が収まるスペースが狭くなり、睡眠中に舌が喉側へ落ち込むことで気道が狭くなることがあります。
見た目が痩せていても、こうした骨格的な特徴によって睡眠時無呼吸症候群が起こることがあります。
舌が大きい
舌の大きさも気道の広さに影響します。
眠って筋肉が緩んだ際に舌が後方へ移動すると、気道を狭くする原因になることがあります。
扁桃が大きい
扁桃が大きい場合も、喉の空間が狭くなりやすくなります。
必要に応じて耳鼻咽喉科での評価が適している場合があります。
鼻の通りが悪い
慢性的な鼻炎や鼻中隔弯曲などで鼻呼吸がしにくい方では、睡眠中の呼吸に影響することがあります。
鼻づまりが強い場合には、その原因について評価することも重要です。
このように、痩せ型の睡眠時無呼吸症候群では、単純な体重だけでは分からない要因が関係している場合があります。
女性でも睡眠時無呼吸症候群になる?
睡眠時無呼吸症候群というと、
「太った中年男性の病気」
というイメージを持たれることがあります。
しかし、女性にも睡眠時無呼吸症候群は起こります。
特に女性では、閉経後に睡眠時無呼吸症候群が増えることが知られています。
また、
「典型的ないびきがそれほど目立たない」
「疲れが取れない」
「眠りが浅い」
「夜中に何度も起きる」
といった症状から睡眠の問題に気づくこともあります。
性別や体型だけで判断せず、
- 無呼吸を指摘された
- 大きないびきがある
- 十分寝ても疲れが取れない
- 日中に強い眠気がある
といった症状があれば、睡眠時無呼吸症候群も原因のひとつとして考えることが大切です。
「BMIが正常なら大丈夫」とは限らない
健康診断などでBMIが正常範囲の場合、
「肥満ではないから睡眠時無呼吸症候群ではないだろう」
と思うかもしれません。
しかし、BMIは身長と体重から算出する指標であり、睡眠中の気道の広さそのものを評価するものではありません。
そのため、BMIが正常だからといって睡眠時無呼吸症候群を否定することはできません。
反対に、肥満があるからといって必ず睡眠時無呼吸症候群になるわけでもありません。
重要なのは、
体型だけで判断するのではなく、症状と実際の睡眠中の呼吸状態を確認すること
です。
睡眠時無呼吸症候群が疑われる場合には、睡眠検査によって無呼吸や低呼吸がどの程度起きているかを調べます。
痩せていても、こんな症状があればSAS検査を検討
体型にかかわらず、次のような症状がある場合には睡眠時無呼吸症候群の検査について医療機関へ相談することをおすすめします。
- 家族から睡眠中に呼吸が止まっていると言われる
- 大きないびきが続いている
- いびきが途中で止まり、その後大きく息をすると言われる
- 夜中に息苦しくて目が覚める
- 十分に寝ても疲れが取れない
- 日中の眠気が強い
- 会議中や仕事中に眠くなる
- 朝起きたときに頭痛がある
- 起床時に口や喉が乾いている
- 夜中に何度も目が覚める
- 夜間に何度もトイレへ行く
- 高血圧を指摘されている
特に、
「痩せている+無呼吸を指摘された」
という場合には、「体型的にSASではない」と決めつけず、一度検査について相談してみましょう。
いびきや日中の眠気について詳しくは、
いびき・日中の眠気は睡眠時無呼吸症候群かも
もご覧ください。
睡眠時無呼吸症候群かどうかは自宅で検査できる?
睡眠時無呼吸症候群が疑われる場合には、まずご自宅で行える簡易睡眠検査から調べられる場合があります。
国分寺なみき内科クリニックでは、診察のうえ必要と判断した方に、自宅で実施できる簡易睡眠検査をご案内しています。
検査機器を装着して普段通り一晩眠り、
- 呼吸の状態
- 鼻からの空気の流れ
- 血液中の酸素状態
- 無呼吸・低呼吸の頻度
- 体動など
を確認します。
結果によっては、さらに詳しく睡眠状態を確認するPSG(終夜睡眠ポリグラフ)検査が必要になることがあります。
大切なのは、
「痩せているか太っているか」ではなく、実際に寝ている間に無呼吸・低呼吸が起きているか
を確認することです。
簡易検査・PSG・AHIについて詳しくは、
国分寺で睡眠時無呼吸症候群の検査を受けたい方へ|自宅でできる簡易検査・PSG・AHIを解説
をご覧ください。
痩せ型のSASでは減量以外の治療も考える
肥満を伴う睡眠時無呼吸症候群では、体重管理が治療の一部として重要になることがあります。
しかし、もともと痩せている方の場合、
「痩せれば治る」
という考え方は適切ではありません。
治療方法は、睡眠時無呼吸症候群の重症度や原因によって異なります。
代表的な治療には、
- CPAP(持続陽圧呼吸療法)
- マウスピース(口腔内装置)
- 睡眠時の体位調整
- 鼻や喉の状態に応じた耳鼻咽喉科的治療
- 飲酒など生活習慣の見直し
などがあります。
中等症から重症の閉塞性睡眠時無呼吸症候群では、CPAPが代表的な治療となります。
CPAPについて詳しく知りたい方は、
CPAP治療とは?保険適用・通院・オンライン診療を解説
をご覧ください。
治療方法は体重だけではなく、検査結果や症状、気道の状態などをもとに医師と相談しながら決めていきます。
鼻や顎が原因なら何科を受診すればいい?
「自分は痩せているので、鼻や顎が原因なのでは?」
と考える方もいらっしゃるでしょう。
睡眠時無呼吸症候群は、
- 内科
- 呼吸器内科
- 耳鼻咽喉科
- 睡眠を専門とする外来
など、複数の診療科が関わる病気です。
睡眠時無呼吸症候群そのものが疑われる場合には、まずSASの検査に対応している医療機関で睡眠中の呼吸状態を確認し、必要に応じて耳鼻咽喉科などと連携する方法があります。
「自分は何科を受診すればいいの?」
という方は、
睡眠時無呼吸症候群は何科を受診?いびき・無呼吸が気になる方へ
をご覧ください。
痩せ型の睡眠時無呼吸症候群についてよくある質問
痩せているのにいびきがひどいです。SASの可能性はありますか?
あります。肥満は重要なリスク因子ですが、顎の大きさや位置、舌、扁桃、鼻の状態などによって、肥満ではない方でも睡眠時無呼吸症候群になることがあります。
BMIが正常なら睡眠時無呼吸症候群ではありませんか?
BMIだけでSASを否定することはできません。無呼吸の指摘、大きないびき、日中の眠気などがある場合には、体型にかかわらず医療機関へ相談してください。
女性でも睡眠時無呼吸症候群になりますか?
はい。睡眠時無呼吸症候群は男性だけの病気ではありません。女性にも起こり、特に閉経後には増えることが知られています。
家族から無呼吸を指摘されましたが、自分では眠気がありません。検査した方がよいですか?
睡眠時無呼吸症候群では、本人が症状を自覚していない場合もあります。睡眠中の呼吸停止を繰り返し指摘されている場合には、一度医療機関へ相談することをおすすめします。
痩せ型の場合でもCPAP治療になりますか?
体型ではなく睡眠検査の結果や重症度などをもとに治療方針を決めます。痩せている方でも、検査結果によってCPAPが必要になる場合があります。
顎が小さい場合は必ずSASになりますか?
必ず発症するわけではありません。ただし、顎が小さい・後退していることは、上気道を狭くする要因のひとつです。症状が気になる場合は睡眠検査で確認することが重要です。
国分寺で「痩せているけれどSASかも」と気になる方へ
睡眠時無呼吸症候群は、
「肥満の人だけがなる病気」ではありません。
確かに肥満は大きなリスク因子ですが、
- 顎が小さい
- 下顎が後退している
- 舌が大きい
- 扁桃が大きい
- 鼻が通りにくい
といったさまざまな要因によって、痩せている方や標準体重の方でも睡眠時無呼吸症候群になることがあります。
そのため、
「太っていないから大丈夫」
ではなく、
いびき・無呼吸・日中の眠気などの症状があるかどうか
を確認することが大切です。
国分寺なみき内科クリニックでは、体型にかかわらず睡眠時無呼吸症候群が疑われる方について診察し、必要に応じてご自宅でできる簡易睡眠検査をご案内しています。
検査結果によっては、在宅PSG精密検査や専門医療機関での精密検査、CPAP治療へつなげます。
国分寺市をはじめ、小平市・立川市・国立市周辺で、
- 痩せているのにいびきがひどい
- 家族から無呼吸を指摘された
- 十分寝ても疲れが取れない
- 日中に強い眠気がある
- 自分がSASなのか検査したい
という方は、ご相談ください。
睡眠時無呼吸症候群について総合的に確認したい方は、
睡眠時無呼吸症候群(SAS)の症状・検査・治療
をご覧ください。

■この記事の監修者
国分寺なみき内科クリニック
院長 鈴木 愛(すずき めぐみ)
<所属学会・専門医>
日本内科学会 総合内科専門医・指導医 / 日本血液学会 血液専門医
日本造血細胞移植学会 造血細胞移植認定医 / 日本輸血・細胞治療学会 / 日本臨床腫瘍学会臨床研修指導医 / がん診療に携わる医師に対する緩和ケア研修会修了
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