健診で血糖値が高いと言われたら|受診の目安と何科を受診する?

健康診断の結果を見て、
「血糖値が高いと指摘された」
「空腹時血糖100mg/dLを超えていたけれど大丈夫?」
「110mg/dLなら糖尿病予備群?」
「126mg/dL以上だったら糖尿病?」
「症状はないけれど病院へ行った方がいい?」
と不安になっている方もいらっしゃるのではないでしょうか。
健康診断で血糖値が高かったとしても、1回の検査結果だけで必ず糖尿病と診断されるわけではありません。
一方、糖尿病や糖尿病予備群では、初期に自覚症状がほとんどないことも多いため、「体調は悪くないから大丈夫」と健診結果をそのままにすることはおすすめできません。
特に空腹時血糖が100mg/dL以上になっている場合は、血糖値だけでなくHbA1cや過去の健診結果なども確認し、現在の糖代謝の状態を把握することが大切です。
この記事では、健康診断で血糖値が高いと言われた方に向けて、空腹時血糖100・110・126mg/dLの違い、糖尿病予備群との関係、再検査や受診の目安、何科を受診すればよいかについて、国分寺なみき内科クリニックがわかりやすく解説します。
糖尿病そのものの原因・症状・検査・治療について詳しく知りたい方は、糖尿病の原因・検査・治療についてもあわせてご覧ください。
血糖値とは?空腹時血糖と随時血糖の違い
血糖値とは、血液中に含まれるブドウ糖の濃度を示す数値です。
食事から摂取した炭水化物などは体内でブドウ糖に分解され、血液を通して全身へ運ばれ、エネルギーとして利用されます。
血糖値を調整するうえで重要なのが、すい臓から分泌されるインスリンです。
インスリンの分泌が不足したり、インスリンが十分に働きにくくなったりすると血糖値が高くなります。この高血糖の状態が慢性的に続く病気の代表が糖尿病です。
空腹時血糖とは?
食事をしていない状態で測定した血糖値です。糖尿病や糖尿病予備群の評価でよく使用されます。
随時血糖とは?
食事をした時間に関係なく測定した血糖値です。食後からの時間などによって数値が変動するため、検査時の状況も含めて評価します。
糖尿病の診断では、空腹時血糖や随時血糖だけでなく、HbA1cや75g経口ブドウ糖負荷試験(75gOGTT)などを組み合わせて判断します。
空腹時血糖100・110・126mg/dLの違い
健康診断で血糖値を指摘された方が最も気になるのは、
「自分の数値はどのくらい高いのか?」
ということではないでしょうか。
空腹時血糖のおおまかな考え方は次のとおりです。
| 空腹時血糖 | 考え方の目安 |
|---|---|
| 99mg/dL以下 | 一般的には正常域 |
| 100~109mg/dL | 正常高値。将来の糖尿病リスクに注意 |
| 110~125mg/dL | 境界型(糖尿病予備群)の可能性を考える範囲 |
| 126mg/dL以上 | 糖尿病型の基準の一つ |
ただし、この表だけを見て糖尿病かどうかを自己判断することはできません。
空腹時血糖100~109mg/dLの場合
空腹時血糖100~109mg/dLは糖尿病の診断基準には達していませんが、将来糖尿病を発症するリスクが高い方が含まれる範囲です。
特に、
- HbA1cも高め
- 肥満がある
- 最近体重が増えた
- 高血圧がある
- 脂質異常症がある
- 家族に糖尿病の方がいる
といった場合には、より注意が必要です。
日本の糖尿病診療では、空腹時血糖100~109mg/dLの方についても、高血圧・脂質異常症・肥満などがある場合には75gOGTTによる詳しい評価が望ましいとされています。
空腹時血糖110~125mg/dLの場合
空腹時血糖110~125mg/dLは、糖尿病と診断されるほど高くはないものの、正常ともいえない範囲です。
こうした状態は境界型(糖尿病予備群)に該当する可能性があります。
糖尿病予備群では自覚症状がほとんどないことが多いため、
「まだ糖尿病ではないから大丈夫」
と考えて放置せず、HbA1cなどを含めて現在の状態を確認することが大切です。
空腹時血糖126mg/dL以上の場合
空腹時血糖126mg/dL以上は、「糖尿病型」と判断する基準の一つです。
ただし、
「健診で126mg/dLだった=その1回だけで糖尿病確定」
という意味ではありません。
糖尿病の診断では、血糖値やHbA1c、再検査、症状などを組み合わせて判断します。
健康診断で空腹時血糖126mg/dL以上を指摘された場合には、自己判断で次の健診まで待たず、医療機関へご相談ください。
血糖値とHbA1cの違い
健康診断では、血糖値と一緒にHbA1c(ヘモグロビン・エーワンシー)を測定することがあります。
両者は似ていますが、反映している血糖状態が異なります。
| 検査 | 主に表しているもの |
| 血糖値 | 採血した時点の血糖状態 |
| HbA1c | 過去1~2か月程度の平均的な血糖状態 |
血糖値は食事や採血した時間、体調などによって変動します。
一方、HbA1cは直前の食事だけでは大きく変化しにくいため、血糖値とHbA1cを組み合わせることで、糖代謝の状態をより詳しく評価できます。
そのため、
「空腹時血糖は正常なのにHbA1cが高い」
あるいは、
「血糖値は高いのにHbA1cはそれほど高くない」
という場合もあります。
HbA1cが6.0~6.4%だった方は、HbA1c 6.0~6.4%は糖尿病予備群?健診後の受診目安もあわせてご覧ください。
血糖値が高くなる主な原因
血糖値が高くなる背景には、さまざまな要因があります。
代表的なものには、
- 食べ過ぎ
- 甘い飲み物や間食が多い
- 運動不足
- 体重増加
- 内臓脂肪の増加
- 加齢
- 遺伝的な体質
- 糖尿病
などがあります。
糖尿病は「甘いものを食べている人だけがなる病気」ではありません。
食事全体の摂取量、運動習慣、体重、加齢、遺伝的な体質など、さまざまな要因が関係します。
また、血糖値は状況によって一時的に高くなることもあります。
例えば、
- 採血前に食事をしていた
- 睡眠不足
- 強いストレス
- 発熱や感染症などの体調不良
- ステロイド薬など一部の薬剤
などの影響を受ける場合があります。
だからこそ、健康診断で1回血糖値が高かっただけで糖尿病と決めつけることも、「たまたまだった」と自己判断することも適切ではありません。
過去の血糖値やHbA1cなどとあわせて確認しましょう。
また、血糖値が高い方では、高血圧や脂質異常症を合併していることもあります。複数の生活習慣病が重なると、将来の心血管疾患などのリスクにも影響するため、総合的な評価が重要です。
健診で血糖値が高かったら再検査・受診は必要?
健康診断で血糖値の異常を指摘された場合は、結果票に記載されている判定を確認してください。
特に、
- 「要再検査」
- 「要精密検査」
- 「要受診」
- 「医療機関を受診してください」
などと記載されている場合には、そのままにせず医療機関へご相談ください。
また、
- 空腹時血糖126mg/dL以上
- HbA1c 6.5%以上
- 血糖値とHbA1cの両方が高い
- 昨年より数値が大きく上昇した
- 口が渇く、水をたくさん飲む、尿が増えた、体重が減ったなどの症状がある
- 高血圧や脂質異常症も指摘されている
といった場合にも、詳しい評価をおすすめします。
糖尿病は初期にはほとんど症状がないことも珍しくありません。
そのため、
「症状がないから受診しなくても大丈夫」
とは限りません。
健康診断全体の判定や、血圧・肝機能・腎機能・コレステロールなどの異常についても知りたい方は、健康診断で異常を指摘された場合の再検査・受診の目安をご覧ください。
血糖値が高い場合は何科?
健康診断で血糖値やHbA1cの異常を指摘された場合は、内科や糖尿病内科へご相談ください。
受診するときは、今回の健康診断結果をそのままお持ちください。
可能であれば、
- 過去数年分の健診結果
- お薬手帳
- 他院で受けた検査結果
などもお持ちいただくと、血糖値やHbA1cの変化を確認しやすくなります。
よくある質問
空腹時血糖100mg/dLは高いですか?
空腹時血糖100~109mg/dLは正常高値とされます。糖尿病と診断される数値ではありませんが、将来の糖尿病リスクが高い方も含まれるため、HbA1cや他のリスク因子も確認することが大切です。
空腹時血糖110mg/dLは糖尿病ですか?
110mg/dLだけで糖尿病と診断されるわけではありません。空腹時血糖110~125mg/dLは境界型(糖尿病予備群)の可能性を考える範囲です。
空腹時血糖126mg/dLなら糖尿病ですか?
126mg/dL以上は糖尿病型の基準の一つです。ただし、1回の検査結果だけで必ず糖尿病と確定するわけではなく、HbA1cや再検査などを含めて判断します。
血糖値が高いのにHbA1cが正常なことはありますか?
あります。血糖値はその時点の状態を反映するため、食事や体調などによって一時的に高くなる場合があります。反対に、空腹時血糖値が正常でも、食後の血糖値が高くなっている場合があります。
血糖値が高かったら何科を受診すればいいですか?
内科や糖尿病内科へご相談ください。健康診断の結果を持参すると、血糖値だけでなくHbA1cや他の検査値もあわせて評価できます。
症状がなくても受診した方がいいですか?
糖尿病や糖尿病予備群では、自覚症状がほとんどないことがあります。健診で再検査・精密検査・受診を指示されている場合には、症状がなくても受診してください。
血糖値を下げるにはどうすればいいですか?
食事、運動、体重管理などの生活習慣を見直すことが基本です。ただし、すでに糖尿病を発症している場合には薬物療法などが必要になることもあります。極端な食事制限を自己判断で行うのではなく、現在の状態を確認したうえで適切な方法を考えることが大切です。
国分寺市で健診の血糖値異常を指摘された方へ
国分寺市並木町の国分寺なみき内科クリニックでは、健康診断で、
「血糖値が高い」
「HbA1cが高い」
「糖尿病の疑いがある」
「糖尿病予備群と言われた」
「再検査・精密検査が必要」
と指摘された方のご相談に対応しています。
血糖値の異常では、糖尿病かどうかだけでなく、糖尿病予備群の段階から現在の状態を把握することが大切です。
また、血糖値だけでなく、血圧、コレステロール、腎機能、体重、生活習慣などを含めて総合的に確認します。
「この数値で病院へ行くべきかわからない」
「症状がないので受診するか迷っている」
「昨年より血糖値が上がってきた」
といった場合もご相談ください。
糖尿病の診療について詳しくは、国分寺なみき内科クリニックの糖尿病内科をご覧ください。
まとめ
健康診断で血糖値が高いと言われても、1回の検査結果だけで必ず糖尿病と診断されるわけではありません。
一方で、
空腹時血糖100~109mg/dLでは将来の糖尿病リスクに注意し、110~125mg/dLでは境界型(糖尿病予備群)の可能性、126mg/dL以上では糖尿病型の可能性
を考える必要があります。
糖尿病は初期には自覚症状がほとんどない場合もあります。
「症状がないから大丈夫」「少し高いだけだから来年の健診まで待とう」と自己判断せず、健診で血糖値やHbA1cの異常を指摘された場合には、ご自身の状態を確認する機会にしましょう。
国分寺市で健康診断後の血糖値異常、糖尿病予備群、糖尿病について相談したい方は、国分寺なみき内科クリニックへお気軽にご相談ください。
参考文献
- 日本糖尿病学会「糖尿病診療ガイドライン2024」
- 日本糖尿病学会「糖尿病治療ガイド2024」
- 国立健康危機管理研究機構 糖尿病情報センター「糖尿病予備群といわれたら」

■この記事の監修者
国分寺なみき内科クリニック
院長 鈴木 愛(すずき めぐみ)
<所属学会・専門医>
日本内科学会 総合内科専門医・指導医 / 日本血液学会 血液専門医
日本造血細胞移植学会 造血細胞移植認定医 / 日本輸血・細胞治療学会 / 日本臨床腫瘍学会臨床研修指導医 / がん診療に携わる医師に対する緩和ケア研修会修了
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