タバコを吸う方の咳・痰・息切れ|COPDの症状と肺機能検査

「昔からタバコを吸っていて、最近咳や痰が増えてきた」

「階段を上ると以前より息切れする」

「年齢のせいだと思っていたけれど、呼吸が苦しくなってきた」

「禁煙して何年も経つけれど、COPDになることはある?」

このような症状はありませんか?

COPD(慢性閉塞性肺疾患)は、主にタバコの煙などの有害物質を長期間吸い込むことによって肺に慢性的な炎症が起こり、空気をうまく吐き出しにくくなる病気です。

代表的な症状は、

  • 長引く咳
  • 階段や坂道での息切れ

です。

しかしCOPDはゆっくり進行するため、

「年齢のせいだろう」

「運動不足だから息が切れるだけ」

「昔から咳が出るので気にしていない」

と見過ごされることがあります。

国分寺なみき内科クリニックでは、咳・痰・息切れなどの呼吸器症状について診察し、必要に応じてスパイロメトリー(肺機能検査)や胸部レントゲンを行っています。

この記事では、喫煙歴のある方の咳・痰・息切れとCOPDに焦点を絞り、症状、検査、治療、受診の目安について解説します。

呼吸器症状全般については、
咳・痰・息切れなど呼吸器症状について
もご覧ください。

慢性閉塞性肺疾患(COPD)とは?

COPDは、

Chronic Obstructive Pulmonary Disease

の略で、日本語では「慢性閉塞性肺疾患」と呼ばれます。

長年にわたりタバコの煙などの有害物質を吸い込むことで、気管支や肺胞に慢性的な炎症・障害が起こります。

その結果、

  • 気管支が狭くなる
  • 肺胞が壊れる
  • 肺の弾力が低下する
  • 吸った空気を外へ吐き出しにくくなる

といった変化が起こります。

以前は「肺気腫」「慢性気管支炎」などと呼ばれていた病態の一部も、現在ではCOPDという考え方でまとめて評価されます。

COPDは一度進行すると、壊れた肺胞を完全に元の状態へ戻すことは難しい病気です。

だからこそ、できるだけ早い段階で気づき、禁煙や適切な治療を始めることが重要です。

慢性閉塞性肺疾患(COPD)の最大の原因はタバコ

COPDの代表的な原因は喫煙です。

タバコの煙には多くの有害物質が含まれており、長期間吸い続けることで気道や肺に慢性的な炎症を起こします。

重要なのは、

現在タバコを吸っている方だけがCOPDになるわけではない

ということです。

たとえば、

「20代から50代まで喫煙していたが、今は禁煙している」

という方でも、過去の喫煙による肺への影響が残っている場合があります。

そのため受診時には、

  • 現在タバコを吸っているか
  • 以前吸っていたか
  • 何年間吸っていたか
  • 1日に何本程度吸っていたか

を確認することが重要です。

また、喫煙以外にも、粉じん・化学物質などへの職業性曝露や大気汚染などがCOPDの発症に関係する場合があります。

COPDの初期症状は「階段で息が切れる」

COPDの初期に特に注意したいのが、体を動かしたときの息切れです。

たとえば、

  • 駅の階段を上ると息切れする
  • 坂道を歩くと途中で休みたくなる
  • 同年代の人と歩くと自分だけ遅れる
  • 買い物袋を持って歩くと息苦しい
  • 少し急いで歩くだけで呼吸が苦しくなる

といった症状です。

COPDの息切れは、多くの場合ゆっくり進行します。

そのため患者さん自身が無意識に、

「階段を使わずエレベーターにする」

「歩く速度を落とす」

「外出を減らす」

と生活を変えてしまい、息切れそのものに気づきにくくなることがあります。

「年齢のせい」と思って活動量が減っている方の中に、COPDが隠れていることがあります。

朝の咳・痰もCOPDのサイン?

COPDでは、慢性的な咳や痰がみられることがあります。

特に、

  • 朝起きると痰が出る
  • 毎朝咳をしている
  • 風邪ではないのに痰が続く
  • タバコを吸うと咳が出る
  • 数か月以上咳・痰が続いている

といった症状に注意が必要です。

喫煙している方の場合、

「タバコを吸っていれば咳くらい出る」

と考えてしまうことがあります。

しかし、慢性的な咳・痰はCOPDを疑う重要なサインです。

特に喫煙歴+咳・痰+息切れがそろっている場合には、一度肺機能を確認することをおすすめします。

COPDは40歳を過ぎたら注意?

COPDは長年の喫煙などによって徐々に肺への障害が蓄積するため、中高年以降に症状が目立つことが多くなります。

特に、

40歳以上で喫煙歴があり、咳・痰・労作時の息切れがある方

はCOPDを考えるきっかけになります。

日本呼吸器学会によると、日本では40歳以上の約12人に1人、推定530万人以上がCOPD患者と考えられる一方、実際に医療機関を受診している方はその一部とされています。

つまり、診断されていない「隠れCOPD」が多い病気です。

「まだそれほど苦しくない」

という段階で見つけることが重要です。

COPDかどうかを調べる「スパイロメトリー」とは?

COPDの診断で非常に重要なのが、スパイロメトリー(肺機能検査)です。

スパイロメトリーでは、専用の機器に向かって大きく息を吸い込み、その後できるだけ強く息を吐き出します。

これによって、

  • 肺活量
  • 1秒間にどのくらい息を吐けるか
  • 空気を吐き出す能力

などを調べます。

COPDでは気道が狭くなっているため、息を勢いよく吐き出しにくくなるのが特徴です。

診断では「1秒率(FEV1/FVC)」などの数値を確認し、他の病気を除外したうえで判断します。

国分寺なみき内科クリニックではスパイロメトリーによる肺機能検査に対応しています。

「喫煙歴があり、最近階段がつらい」

という方は、肺の状態を一度調べてみましょう。

胸部レントゲンだけではCOPDは分からない?

胸部レントゲンは、肺炎・肺がん・気胸など、肺に別の病気がないか確認するうえで重要な検査です。

COPDが進行すると、レントゲンで肺が過度に膨らんで見えるなどの変化がみられる場合があります。

ただし、初期のCOPDでは胸部レントゲンだけでは分からないことがあります。

そのためCOPDの診断では、

  • 喫煙歴
  • 症状
  • 診察
  • スパイロメトリー
  • 必要に応じた画像検査

などを組み合わせて評価します。

「健康診断の胸部レントゲンが正常だったからCOPDではない」

とは限りません。

COPDと喘息はどう違う?

COPDと気管支喘息は、どちらも気道が狭くなり、

  • 息苦しさ
  • ゼーゼー・ヒューヒュー

などが出るため、症状が似ています。

喘息では一般的に、

  • 夜間や早朝に悪化しやすい
  • 症状の良い時と悪い時の変動が大きい
  • アレルギーが関係することがある
  • 若い頃から症状がある場合もある

といった特徴があります。

一方COPDでは、

  • 長期の喫煙歴があることが多い
  • 徐々に息切れが進行する
  • 慢性的な咳・痰がある
  • 階段・坂道など労作時に息切れする

といった特徴があります。

ただし、実際には喘息とCOPDの両方の特徴を持つ患者さんもいます。

症状だけで自己判断せず、肺機能検査などを行って評価することが大切です。

喘息については、
喘息・気管支喘息の原因と受診の目安
をご覧ください。

COPDの治療で最も重要なのは禁煙

現在タバコを吸っているCOPD患者さんにとって、禁煙は最も重要な治療のひとつです。

薬を使用していても喫煙を続ければ、肺機能の低下が進みやすくなります。

逆に、

「もう何十年も吸ってきたから、今さら禁煙しても意味がない」

ということはありません。

禁煙は今後の肺機能低下を抑えるために重要です。

すでに禁煙している方も、過去の喫煙歴と現在の症状に応じて検査・治療を行います。

COPDではどんな薬を使う?

COPDの薬物治療では、主に吸入薬を使用します。

代表的なのが、気管支を広げて呼吸をしやすくする「気管支拡張薬」です。

患者さんの症状や重症度に応じて、

  • 長時間作用性抗コリン薬(LAMA)
  • 長時間作用性β2刺激薬(LABA)

などを使用します。

患者さんの病状によっては、複数の薬剤を組み合わせたり、吸入ステロイドを含む治療を検討したりする場合があります。

吸入薬は、

処方された薬の種類だけでなく、正しく吸えているか

が非常に重要です。

治療中は吸入方法についても確認します。

運動すると苦しいから動かない方がいい?

COPDでは息切れがあるため、

「苦しいからなるべく動かないようにしよう」

と考えてしまうことがあります。

しかし活動量が低下すると、

息切れ

動かなくなる

筋力・体力が落ちる

さらに少しの運動で息切れする

ますます動かなくなる

という悪循環に陥ることがあります。

病状に応じた運動や呼吸リハビリテーションは、COPD治療の重要な要素です。

ただし、呼吸状態によって適切な運動量は異なるため、強い息切れがある方が自己流で激しい運動を始めるのではなく、医師と相談してください。

風邪をきっかけに急に悪化する「COPD増悪」とは?

COPDでは普段ある程度症状が安定していても、感染症などをきっかけに急激に呼吸状態が悪化することがあります。

これをCOPDの増悪と呼びます。

たとえば、

  • いつもより息切れが強い
  • 咳が急に増えた
  • 痰の量が増えた
  • 痰が黄色や緑色になった
  • ゼーゼーが強くなった
  • 発熱した

といった症状が現れます。

COPDの増悪を繰り返すと、肺機能や生活の質に悪影響を及ぼすことがあります。

そのため、感染症予防や適切な治療が重要です。

発熱・咳・痰・息苦しさが急に出た方は、
発熱と咳・痰・息苦しさがある|風邪ではなく肺炎?受診の目安
もご覧ください。

COPDではインフルエンザや肺炎にも注意

COPDのある方では、呼吸器感染症をきっかけに症状が悪化することがあります。

そのため、日頃から、

  • 手洗い
  • 感染症流行期の対策
  • インフルエンザワクチン
  • 肺炎球菌ワクチン

などについて、年齢や病状に応じて検討することが大切です。

特にCOPDの方では「感染症にかからないこと」だけでなく、感染した際に重症化や増悪を防ぐ視点が重要になります。

COPDで早めに受診したい症状

次のような方は、一度呼吸器内科・内科へご相談ください。

  • 40歳以上で長い喫煙歴がある
  • 現在タバコを吸っている
  • 昔タバコを吸っていた
  • 朝に咳や痰が出る
  • 咳・痰が数か月続いている
  • 階段や坂道で息切れする
  • 同年代より歩くのが遅くなった
  • 風邪をひくと咳が長引く
  • ゼーゼー・ヒューヒューすることがある

特に、

「以前できていた運動や階段が最近つらい」

という変化は重要です。

年齢や運動不足だけだと決めつけず、呼吸機能を確認してみましょう。

一方、

  • 安静にしていても息苦しい
  • 横になれないほど苦しい
  • 会話が続けられない
  • 唇が紫色になる
  • 意識がぼんやりする

といった強い症状がある場合には、速やかな医療機関への受診が必要です。

COPDについてよくある質問

昔タバコを吸っていました。今は禁煙していますがCOPDになりますか?

過去の長期間の喫煙による影響でCOPDが起こることがあります。現在禁煙していても、咳・痰・労作時の息切れがある場合にはご相談ください。

タバコを吸っている人は全員COPDになりますか?

全員が発症するわけではありません。ただし喫煙はCOPDの最大の危険因子です。喫煙歴があり症状がある方は検査を検討します。

咳も痰もありませんが、階段で息切れします。COPDでしょうか?

COPDの可能性はありますが、貧血・心疾患・運動不足など他の原因でも息切れは起こります。症状が続く場合には原因を評価することが重要です。

胸部レントゲンが正常ならCOPDではありませんか?

初期のCOPDではレントゲンだけで明らかな異常が分からないことがあります。COPDの診断ではスパイロメトリーが重要です。

スパイロメトリーは痛い検査ですか?

痛みはありません。専用の機器に向かって指示に従い大きく息を吸ったり吐いたりして肺機能を測定します。

COPDは治りますか?

すでに壊れた肺の構造を完全に元に戻すことは難しいですが、禁煙や適切な治療によって症状の改善、病気の進行や増悪の抑制を目指します。

COPDと肺気腫は同じですか?

肺気腫はCOPDでみられる病態のひとつです。COPDでは肺気腫だけでなく、気管支の慢性的な炎症なども関係します。

国分寺で咳・痰・息切れ、COPDが心配な方へ

COPDは、長年かけてゆっくり進行する病気です。

そのため、

「タバコを吸っているから咳が出るのは普通」

「年を取ったから階段で息が切れる」

「昔から痰が出るから気にしていない」

と見過ごされることがあります。

しかし、

喫煙歴+慢性的な咳・痰+階段や坂道での息切れ

がある場合には、一度COPDの可能性を確認することをおすすめします。

国分寺なみき内科クリニックでは、

症状・喫煙歴の確認

診察・聴診

必要に応じて胸部レントゲン

スパイロメトリー(肺機能検査)

喘息など他の疾患との鑑別

病状に応じた治療・経過観察

を行います。

当院では胸部レントゲンとスパイロメトリーに対応しているため、慢性的な咳・痰・息切れについて総合的に評価できます。

国分寺市をはじめ、小平市・立川市・国立市周辺で、

「タバコを長年吸っている」

「昔タバコを吸っていて最近息切れする」

「階段が以前よりつらくなった」

「毎朝咳や痰が出る」

「COPDかどうか検査してほしい」

という方はご相談ください。

呼吸器症状・疾患全般については、
咳・痰・息切れなど呼吸器症状について
をご覧ください。

喘息との違いが気になる方は、
喘息・気管支喘息の原因と受診の目安
もご確認ください。

■この記事の監修者

国分寺なみき内科クリニック 

院長 鈴木 愛(すずき めぐみ)


<所属学会・専門医>
日本内科学会 総合内科専門医・指導医 / 日本血液学会 血液専門医
日本造血細胞移植学会 造血細胞移植認定医 / 日本輸血・細胞治療学会 / 日本臨床腫瘍学会臨床研修指導医 / がん診療に携わる医師に対する緩和ケア研修会修了

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