糖尿病予備群は改善できる?食事・運動でできることと受診の目安

健康診断や人間ドックで、
「糖尿病予備群と言われた」
「血糖値が少し高いと言われた」
「HbA1cが高めだった」
「まだ糖尿病ではないから大丈夫?」
「食事や運動で改善できる?」
と気になっている方もいらっしゃるのではないでしょうか。
糖尿病予備群は、糖尿病と診断されるほどではないものの、血糖値が正常より高くなっている状態を指します。
この段階では自覚症状がほとんどないことも多いため、
「まだ糖尿病ではないから大丈夫」
と考えてしまいがちです。
しかし、糖尿病予備群の段階からインスリンが効きにくくなるなど、体内では変化が始まっていることがあります。
一方で、糖尿病予備群の段階から食事・運動・体重などの生活習慣を見直すことで、2型糖尿病への進行リスクを下げられることがわかっています。
この記事では、糖尿病予備群とはどのような状態なのか、改善するために食事や運動で何を意識すればよいのか、再検査・受診の目安について、国分寺なみき内科クリニックがわかりやすく解説します。
HbA1cが6.0~6.4%だった方は、HbA1c 6.0~6.4%は糖尿病予備群?健診後の受診目安もあわせてご覧ください。
糖尿病予備群とは?
糖尿病予備群とは、血糖値が正常な状態より高いものの、糖尿病と診断される基準には達していない状態を一般的に表す言葉です。
医学的には、75g経口ブドウ糖負荷試験(75gOGTT)などの結果から「境界型」と判断される場合があります。
注意したいのは、HbA1cだけで糖尿病予備群と確定するものではないということです。
例えば、HbA1c 6.0~6.4%は糖尿病の疑いを否定できない範囲ですが、血糖値や必要に応じた75gOGTTなどを含めて評価します。
また、空腹時血糖110~125mg/dLも、糖尿病の可能性について詳しく確認したい範囲です。
血糖値の数値について詳しくは、健診で血糖値が高いと言われたら|空腹時血糖100・110・126の受診目安をご覧ください。
糖尿病予備群では症状がないことも多いですが、糖尿病になる前の段階からインスリンの分泌や働きに変化が起きていることがあります。
糖尿病予備群は改善できる?
糖尿病予備群だからといって、必ず糖尿病へ進行するわけではありません。
食生活、運動習慣、体重などを見直すことで、血糖状態が改善したり、2型糖尿病への進行リスクを下げたりできる可能性があります。
糖尿病情報センターでも、糖尿病予備群の方では、食事・運動・減量などの生活習慣改善によって2型糖尿病の発症を予防できることが報告されています。
そのため、糖尿病予備群は、
「まだ病気ではないから何もしなくてよい期間」
ではなく、
「糖尿病を予防するために生活習慣を見直す大切な時期」
と考えることが重要です。
特に、
- 以前より体重が増えている
- 運動する機会が少ない
- 外食や間食が多い
- 甘い飲み物をよく飲む
- 高血圧がある
- 脂質異常症がある
- 家族に糖尿病の方がいる
といった場合には、生活習慣を振り返ってみましょう。
糖尿病だけでなく、高血圧や脂質異常症を同時に指摘されている場合には、生活習慣病全体をまとめて評価することも大切です。
糖尿病予備群の食事で気を付けたいこと
糖尿病予備群と言われたからといって、
「ご飯を完全にやめる」
「糖質を一切取らない」
「食事を抜く」
といった極端な食事制限を自己判断で行う必要はありません。
糖尿病の食事では、適正なエネルギー量で、栄養バランスのとれた規則正しい食事を続けることが基本です。
まずは次のような点を意識してみましょう。
食べ過ぎを避ける
必要以上に食べる習慣がある場合は、食事量を見直しましょう。
毎回満腹になるまで食べるのではなく、食べ過ぎないことを意識することが大切です。
甘い飲み物を見直す
清涼飲料水、ジュース、砂糖入りのコーヒーや紅茶などは、気付かないうちに糖質を多く摂取していることがあります。
普段の飲み物は、水やお茶などを中心にするとよいでしょう。
間食を見直す
お菓子、菓子パン、アイスクリームなどを頻繁に食べている場合は、回数や量を確認してみましょう。
「少量だから大丈夫」と思っていても、毎日の積み重ねが摂取エネルギーの増加につながることがあります。
主食だけの食事を避ける
ラーメンだけ、丼だけ、パンだけといった食事よりも、野菜やたんぱく質を含むおかずを組み合わせ、食事全体のバランスを意識しましょう。
糖尿病情報センターでも、丼物や麺類だけで済ませず副菜を組み合わせることや、食物繊維を含む主食・野菜などを取り入れる工夫が紹介されています。
大切なのは、短期間だけ厳しい食事制限をすることではなく、長く続けられる食生活に変えていくことです。
糖尿病予備群では運動も大切です
運動は、糖尿病予備群から2型糖尿病への進行を予防するうえで重要な生活習慣の一つです。
運動によって筋肉でブドウ糖が利用されやすくなり、インスリンの働きが改善することが期待できます。
ウォーキングなどの有酸素運動
ウォーキング、自転車、水泳などの有酸素運動が代表的です。
これまで運動習慣がなかった方は、最初から激しい運動を始める必要はありません。
例えば、
- 一駅分歩く
- エレベーターではなく階段を使う
- 買い物の際に少し遠回りする
- 食後に散歩する
など、日常生活の中で身体を動かす時間を増やすことから始めてもよいでしょう。
筋力トレーニングも有効です
スクワットなどの筋力トレーニングによって筋肉量が増えることも、インスリンの働きを改善することにつながります。
有酸素運動と筋力トレーニングを組み合わせることで、より良い効果が期待されています。
ただし、心臓病や腎臓病、関節の病気などがある方は、運動を始める前に医師へ相談してください。
体重やその他の生活習慣も見直しましょう
体重が増えている方や肥満がある方では、適正な体重に近づけることで血糖状態の改善が期待できます。
糖尿病情報センターでも、糖尿病予備群の生活習慣改善として、食事・運動とともに体重管理が重要とされています。
ただし、糖尿病は肥満の方だけがなる病気ではありません。
痩せている方でも糖尿病になることがあるため、
「太っていないから自分は大丈夫」
とは判断できません。
また、喫煙習慣がある方では禁煙も重要です。
睡眠不足やストレスが続いている場合は、それらを含めて生活全体を見直すことも大切です。
一度にすべてを完璧に変えようとすると長続きしないことがあります。
まずは、
「毎日飲んでいるジュースをお茶に変える」
「夕食後に10~15分歩く」
「夜の間食を減らす」
など、自分が継続できそうなことから始めてみましょう。
糖尿病予備群は再検査・受診が必要?
糖尿病予備群と言われた場合は、生活習慣を改善するだけでなく、定期的に血糖値やHbA1cを確認することも重要です。
糖尿病は早期に見つけ、適切に管理することで合併症予防につながります。健康診断は糖尿病や糖尿病予備群を早期に発見する重要な機会です。
特に、
- HbA1c 6.0~6.4%だった
- 空腹時血糖110~125mg/dLだった
- 昨年よりHbA1cや血糖値が上昇している
- 高血圧や脂質異常症もある
- 肥満がある
- 家族に糖尿病の方がいる
といった場合は、一度医療機関へ相談することをおすすめします。
また、HbA1c 6.5%以上や空腹時血糖126mg/dL以上を指摘された場合には、糖尿病型の可能性を考え、詳しい評価が必要です。
HbA1c 6.5%以上の場合については、HbA1c 6.5%以上は糖尿病?診断基準と受診の目安をご覧ください。
健康診断で血糖以外にも複数の異常を指摘された方は、健康診断で異常を指摘された場合の再検査・受診の目安もあわせてご覧ください。
糖尿病予備群なら薬は必要?
すべての糖尿病予備群の方に薬が必要になるわけではありません。
多くの場合、まず食事・運動・体重管理などの生活習慣を見直します。
ただし、血糖値や他の病気、心血管疾患のリスクなどによって対応は異なるため、自己判断せず医師へ相談してください。
糖尿病予備群は元に戻ることがありますか?
生活習慣の改善によって、血糖値やHbA1cが改善する方もいます。
ただし、一度数値が改善しても、その後の生活習慣によって再び血糖値が上昇することがあります。
そのため、改善した後も定期的な健康診断を受けることが大切です。
症状がなくても受診した方がいいですか?
糖尿病予備群では自覚症状がほとんどないことが一般的です。
症状の有無だけで判断せず、健診結果や血糖値・HbA1cをもとに受診の必要性を判断しましょう。
国分寺市で糖尿病予備群について相談したい方へ
国分寺市並木町の国分寺なみき内科クリニックでは、
「糖尿病予備群と言われた」
「HbA1cが高めだった」
「空腹時血糖を指摘された」
「生活習慣をどう改善したらよいかわからない」
「糖尿病にならないか心配」
といった方のご相談に対応しています。
糖尿病予備群では血糖値だけを見るのではなく、体重、血圧、コレステロール、腎機能、生活習慣なども確認し、将来の糖尿病や心血管疾患のリスクを総合的に考えることが大切です。
「まだ糖尿病ではないから」と放置するのではなく、糖尿病予備群の段階から生活習慣を見直し、定期的に状態を確認しましょう。
糖尿病の原因・検査・治療について詳しく知りたい方は、糖尿病について詳しく解説したページをご覧ください。
国分寺で糖尿病や糖尿病予備群の診療をご希望の方は、国分寺なみき内科クリニックの糖尿病内科もあわせてご確認ください。
まとめ
糖尿病予備群は、糖尿病と診断される前の重要な段階です。
この段階から、
食事を見直す
運動する習慣をつける
適正な体重を目指す
定期的に健診・検査を受ける
といった取り組みを続けることで、2型糖尿病への進行リスクを減らせる可能性があります。
大切なのは、短期間だけ無理な生活改善をするのではなく、長く継続できる方法を見つけることです。
国分寺市で糖尿病予備群、HbA1c、血糖値について相談したい方は、国分寺なみき内科クリニックへお気軽にご相談ください。
参考文献
日本糖尿病学会「糖尿病診療ガイドライン2024」
日本糖尿病学会「糖尿病治療ガイド2024」
国立健康危機管理研究機構 糖尿病情報センター「糖尿病予備群といわれたら」
国立健康危機管理研究機構 糖尿病情報センター「糖尿病の食事のはなし」
国立健康危機管理研究機構 糖尿病情報センター「糖尿病の運動のはなし」

■この記事の監修者
国分寺なみき内科クリニック
院長 鈴木 愛(すずき めぐみ)
<所属学会・専門医>
日本内科学会 総合内科専門医・指導医 / 日本血液学会 血液専門医
日本造血細胞移植学会 造血細胞移植認定医 / 日本輸血・細胞治療学会 / 日本臨床腫瘍学会臨床研修指導医 / がん診療に携わる医師に対する緩和ケア研修会修了
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