高血圧の方が知っておきたい減塩のコツ|外食・コンビニ食でもできる食事改善

「健康診断で血圧が高いと言われた」
「医師から塩分を控えるように言われたけれど、何から始めればいいの?」
「外食やコンビニのお弁当が多く、減塩するのは難しそう」
「高血圧の薬を飲んでいるけれど、食事にも気をつけた方がいい?」
このようなお悩みをお持ちの方も多いのではないでしょうか。
高血圧の改善や管理において、減塩はとても重要な生活習慣の一つです。
しかし、塩分を控えようと思っても、毎日自炊するのは難しいものです。仕事や家事で忙しく、外食やコンビニ食を利用することもあるでしょう。
実は、減塩は食事をすべて手作りにしなくても、食品の選び方や食べ方を少し変えることで取り組むことができます。
大切なのは、無理に薄味の食事ばかりを続けることではなく、普段の食生活の中で塩分を減らす工夫を積み重ねることです。
この記事では、国分寺なみき内科クリニックが、高血圧の方に知っていただきたい減塩の基本と、外食・コンビニ食・自宅で今日から実践できる食事改善のコツを分かりやすく解説します。
高血圧の方は1日どのくらいの塩分に抑えるべき?
高血圧の方が食事を見直す際、最初に知っておきたいのが1日の食塩摂取量の目標です。
高血圧の方の減塩目標は1日6g未満
日本高血圧学会の「高血圧管理・治療ガイドライン2025」では、高血圧の方の食塩摂取量について、1日6g未満を目標としています。
例えば、朝・昼・夕の3食で考えると、1食あたり2g程度を一つの目安にすると分かりやすいでしょう。
ただし、これはあくまで簡単な配分例です。実際には間食や飲み物などに含まれる食塩も考慮する必要があります。
「1日6g未満」と聞いても、どのくらいの量なのか実感しにくいかもしれません。
例えば、ラーメンやうどんなどの汁物、味噌汁、漬物、加工食品などを組み合わせると、気づかないうちに多くの塩分を摂取してしまうことがあります。
まずは、自分が普段どのような食品から塩分を摂っているのかを知ることが減塩の第一歩です。
なぜ塩分を摂りすぎると血圧が上がるの?
塩分に含まれるナトリウムは、体内の水分バランスに関係しています。
塩分を過剰に摂取すると、体内に水分が保持されやすくなり、血圧が上昇する要因となります。
また、塩分の摂りすぎが血圧に与える影響には個人差があります。
高血圧を長期間放置すると、血管に負担がかかり、脳卒中や心筋梗塞、心不全、腎機能低下などのリスクが高まります。
そのため、減塩は単に血圧の数値を改善するためだけではなく、将来の心臓や血管、腎臓の健康を守るためにも重要です。
高血圧の原因や検査、治療方法については、国分寺市の高血圧治療|原因・検査・治療についてで詳しく解説しています。
意外と塩分が多い食べ物とは?
減塩というと、料理に使う塩やしょうゆを減らすことを思い浮かべる方が多いかもしれません。
しかし、日常生活では調味料以外の食品からも塩分を摂取しています。
特に注意したい食品には、次のようなものがあります。
| 食品・料理 | 塩分が多くなりやすい理由 |
|---|---|
| ラーメン・うどん | スープやつゆに塩分が多く含まれる |
| 味噌汁・スープ | 味噌やスープの素に食塩が含まれる |
| 漬物・梅干し | 保存や味付けのために食塩を使用している |
| ハム・ソーセージ | 製造過程で食塩を使用する |
| コンビニ弁当 | おかずやソースなど複数の部分に塩分が含まれる |
| 惣菜・冷凍食品 | 味付けによって食塩相当量が多くなる場合がある |
| パン・チーズ | 塩辛く感じなくても食塩が含まれている |
もちろん、これらをすべて食べてはいけないわけではありません。
重要なのは、塩分が多くなりやすい食品を知り、食べる量や組み合わせを調整することです。
例えば、味噌汁と漬物、塩鮭などを同じ食事で組み合わせると、それぞれの食品の塩分が積み重なります。
一品ずつの塩分だけでなく、食事全体で考えることが大切です。
外食でもできる減塩のコツ5選
仕事中の昼食や家族との外食など、外で食事をする機会は少なくありません。
外食を完全にやめる必要はありませんが、少し工夫するだけでも塩分摂取量を減らしやすくなります。
① ラーメンやうどんの汁はできるだけ残す
外食で減塩を考える際、特に意識したいのが麺類のスープです。
ラーメンやうどんの汁には多くの食塩が含まれることがあります。
例えば、麺を食べ終わった後にスープをすべて飲む習慣がある方は、スープを残すことから始めてみましょう。
厚生労働省の健康情報でも、麺類の汁やスープを残すことが減塩につながる方法として紹介されています。
ただし、麺自体や具材にも食塩が含まれるため、スープを残せば塩分がゼロになるわけではありません。
「スープは味わう程度にする」「最後まで飲み干さない」といった小さな工夫が大切です。
② 定食では汁物・漬物・タレを見直す
外食で定食を注文すると、ご飯と主菜のほかに、味噌汁や漬物、ソースなどが付いてくることがあります。
このような場合は、
- 味噌汁を毎回飲み干さない
- 漬物を食べる量を控える
- ソースやタレを最初から全部かけない
- 可能であれば、味付けの濃い副菜を変更する
といった工夫をしてみましょう。
料理そのものを変更するのが難しい場合でも、調味料の使い方を見直すだけで塩分を減らせることがあります。
③ しょうゆやソースは「かける」より「つける」
しょうゆやソースを料理全体にかけると、必要以上に使ってしまうことがあります。
そのため、調味料を使うときは、小皿に出して少量ずつつける方法がおすすめです。
例えば、お刺身や揚げ物などを食べる際には、最初からたっぷりしょうゆやソースをかけるのではなく、味を確かめながら必要な量だけ使用しましょう。
④ メニューに栄養成分表示があれば確認する
最近では、飲食店のメニューや公式サイトで栄養成分を確認できる場合があります。
特に確認したいのが「食塩相当量」です。
同じようなメニューであっても、調理方法や味付けによって塩分量は異なります。
食塩相当量が表示されている場合は、注文前に比較してみるとよいでしょう。
⑤ 外食が続く日は食事全体のバランスを考える
昼食で塩分の多い料理を食べた場合、夕食では塩分の少ない料理を選ぶなど、1日全体で調整する考え方も大切です。
ただし、塩分の多い食事をしたからといって、次の食事を抜く必要はありません。
必要な栄養を確保しながら、味付けや食品の組み合わせを工夫しましょう。
コンビニ食でも減塩できる?選び方のポイント
忙しい方にとって、コンビニは手軽に食事を購入できる便利な場所です。
高血圧の方の中には、「コンビニ食は塩分が多そうだから避けた方がいい」と考えている方もいらっしゃるかもしれません。
しかし、商品の栄養成分表示を確認し、食品の組み合わせを工夫することで、コンビニ食でも減塩に取り組めます。
① 「食塩相当量」を確認する習慣をつける
コンビニのおにぎりやお弁当、惣菜などには、栄養成分表示が付いているものが多くあります。
表示されている「食塩相当量」を確認しましょう。
このとき注意したいのは、表示が「1包装当たり」なのか「100g当たり」なのかという点です。
例えば、次のような組み合わせを購入したとします。
| 食品 | 食塩相当量(仮の例) |
|---|---|
| おにぎり | 1.1g |
| おかず | 1.4g |
| サラダ(ドレッシング込み) | 0.3g |
| 合計 | 2.8g |
※数値は食塩相当量の合計方法を示すための仮の例であり、特定の商品を表すものではありません。
このように、個々の食品だけでなく、組み合わせたときの合計を確認することが重要です。
② おにぎりは具材と塩分量を比較する
コンビニのおにぎりは、具材や味付けによって食塩相当量が異なります。
例えば、梅干しや塩鮭などの具材を使ったおにぎりと、別の具材のおにぎりでは、食塩相当量に差がある場合があります。
ただし、具材の名前だけで塩分量を正確に判断することはできません。
購入時には、商品の栄養成分表示を確認し、食塩相当量が少ないものを選ぶ習慣をつけましょう。
③ サラダやおかずも味付けに注意する
健康を意識してサラダを購入する方も多いと思います。
野菜を取り入れることは大切ですが、ドレッシングをたくさん使うと塩分が増えることがあります。
また、サラダチキンや魚の惣菜なども、商品によって味付けや食塩相当量が異なります。
- ドレッシングは必要な量だけ使う
- 商品ごとの食塩相当量を比較する
- 味付けの濃いおかずを複数組み合わせない
- 減塩タイプの商品も選択肢に入れる
といったことを意識しましょう。
④ カップ麺やインスタント食品はスープに注意
カップ麺やインスタント食品は便利ですが、商品によっては1食で多くの塩分を摂取する場合があります。
特に麺類では、麺や具材に含まれる食塩と、スープに含まれる食塩を分けて表示している商品もあります。
スープを残すことで塩分摂取量を減らせることがありますが、麺や具材にも塩分が含まれるため、食べる量や頻度も考えましょう。
毎日のように食べている方は、まず週に何回食べているのかを振り返ってみることをおすすめします。
自宅でできる減塩のコツ5選
自宅での食事でも、少し工夫するだけで塩分を減らしやすくなります。
① だし・香辛料・酸味を活用する
減塩というと「薄味で物足りない」というイメージがあるかもしれません。
しかし、塩分を減らしても、うま味や香り、酸味を利用することで、おいしさを感じやすくなります。
例えば、
- かつおや昆布などのだしを使う
- レモンや酢で酸味を加える
- しょうがや大葉などの香味野菜を使う
- こしょうや七味唐辛子などで風味をつける
といった方法があります。
ただし、市販の顆粒だしや調味済みのだし、ポン酢などには食塩が含まれる場合がありますので、使用量や表示を確認しましょう。
② 味噌汁は具だくさんにする
味噌汁を飲む習慣がある方は、味噌の量や汁の量を見直してみましょう。
同じお椀でも、野菜やきのこなどの具材を多くすることで、汁の量を減らしやすくなります。
また、味噌を使いすぎないことも大切です。
「味噌汁は健康的だから何杯飲んでも大丈夫」というわけではありません。
1日に何杯飲んでいるかも含めて見直してみましょう。
③ しょうゆ・塩は計量して使う
料理を作る際、しょうゆや塩を目分量で加えていませんか?
調味料を目分量で使っていると、自分が思っている以上の量を加えてしまうことがあります。
最初は計量スプーンなどを使用し、普段どのくらいの調味料を使っているか確認してみるのがおすすめです。
④ 減塩調味料を上手に取り入れる
最近では、減塩しょうゆや減塩味噌などの食品も販売されています。
これらを活用することで、普段の食事の塩分量を減らせる場合があります。
ただし、「減塩」と書かれている商品でも食塩は含まれています。
減塩タイプだからといって使いすぎず、通常の商品と同じように使用量を確認しましょう。
⑤ 最初からすべての料理を薄味にしない
減塩を続けるうえでは、無理をしすぎないことも重要です。
例えば、主菜にしっかりと味をつける場合は、副菜を薄味にするなど、食事全体のバランスを考える方法があります。
「全部を薄味にする」のではなく、「味付けにメリハリをつける」ことも、減塩を続けるための工夫です。
減塩を続けるために意識したい3つのポイント
① 最初から完璧を目指さない
これまで塩分の多い食事をしていた方が、突然すべての食事を変えるのは簡単ではありません。
そのため、まずは一つの習慣を変えることから始めてみましょう。
例えば、
- ラーメンのスープを飲み干さない
- 食卓でしょうゆを追加する前に味見をする
- コンビニで食塩相当量を確認する
- 味噌汁の回数や量を見直す
など、日常生活で実行しやすいことを選ぶのがおすすめです。
② 家族と一緒に取り組む
自宅で食事をする場合、一人だけ特別な減塩食を作ることが負担になることもあります。
家族全体で調味料の使い方を見直したり、だしや香辛料を活用した料理を取り入れたりすると、取り組みを続けやすくなる場合があります。
ただし、子どもや高齢者、持病のある方などでは必要な栄養量が異なるため、食事内容はそれぞれに合わせて調整しましょう。
③ 家庭血圧も記録する
減塩に取り組む場合、食事の内容だけではなく、家庭での血圧も記録してみましょう。
例えば、朝と夜の血圧を継続して測定すると、普段の血圧の状態を把握しやすくなります。
減塩による血圧の変化には個人差があり、数日で大きく下がるとは限りません。
また、血圧には睡眠、ストレス、体重、飲酒、薬の服用状況など、さまざまな要因が関係しています。
食事を改善しているのに血圧が高い状態が続く場合には、医療機関で治療内容を確認することが大切です。
高血圧の薬を服用していても血圧が下がらない方は、血圧の薬を飲んでも下がらないのはなぜ?|考えられる原因と受診の目安もご覧ください。
腎臓病や持病がある方は、減塩方法にも注意が必要
高血圧の方にとって減塩は大切ですが、すべての方が同じ方法で食事制限を行えばよいわけではありません。
特に慢性腎臓病などで腎機能が低下している方では、カリウムの摂取について注意が必要になる場合があります。
一般的には野菜や果物に含まれるカリウムは血圧管理に役立つことがありますが、腎機能や服用している薬によっては、摂取量の調整が必要です。
また、食塩の一部をカリウムに置き換えた減塩調味料もあります。
腎臓病がある方やカリウムの値が高い方などは、自己判断でこうした商品を大量に使用せず、医師や管理栄養士に相談してください。
極端な食事制限によって必要な栄養が不足しないよう、バランスのよい食事を基本とすることも大切です。
高血圧と減塩についてよくある質問
Q1. 高血圧なら塩分を完全に摂らない方がいいですか?
いいえ。食塩を完全にゼロにする必要はありません。
ナトリウムは体に必要な成分でもあります。
高血圧の方では1日6g未満の食塩摂取を目標とし、必要な栄養を確保しながら減塩することが大切です。
極端な制限は避け、持病や治療内容に応じて医師の指示に従いましょう。
Q2. 外食が多いと減塩するのは難しいですか?
外食が多い方でも減塩に取り組むことはできます。
例えば、麺類のスープを残す、調味料をかけすぎない、食塩相当量が表示されているメニューを比較するといった方法があります。
すべての食事を自炊に変えるのではなく、普段の生活で続けられる工夫から始めてみましょう。
Q3. 減塩しょうゆなら、たくさん使っても大丈夫ですか?
減塩しょうゆでも、使いすぎれば食塩摂取量が増えてしまいます。
通常のしょうゆと比較すると食塩相当量が少ない商品がありますが、使用する量にも注意が必要です。
購入時には栄養成分表示を確認しましょう。
Q4. 減塩すれば高血圧の薬をやめられますか?
減塩などの生活習慣改善によって血圧が下がる方もいます。
ただし、薬を減らしたり中止したりできるかどうかは、血圧の状態や年齢、合併症、心血管疾患のリスクなどによって異なります。
自己判断で薬を中止すると、血圧が再び上昇する可能性があります。
薬の調整については、必ず医師に相談しましょう。
詳しくは、高血圧の薬はいつから必要?一生飲み続けるの?|治療開始の目安を解説をご覧ください。
Q5. 減塩しているのに血圧が下がらないのはなぜですか?
血圧は塩分摂取量だけで決まるわけではありません。
体重、飲酒、運動不足、睡眠、ストレス、遺伝的な体質など、さまざまな要因が関係しています。
また、腎臓やホルモンの病気などが関係している場合もあります。
減塩に取り組んでいても血圧が高い状態が続く場合は、家庭血圧を記録し、医療機関で相談することをおすすめします。
国分寺市で高血圧や食生活の改善について相談したい方へ
「健康診断で血圧が高いと言われた」
「塩分を控えるように言われたけれど、どのような食事にすればいいか分からない」
「外食やコンビニ食が多く、生活習慣の改善が難しい」
「高血圧の薬を飲んでいるけれど、なかなか数値が安定しない」
このようなお悩みがある方は、一度医療機関で相談してみましょう。
高血圧の治療では、血圧の数値だけを見るのではなく、食事・運動・体重・睡眠・飲酒など、日常生活の状況も確認することが大切です。
国分寺なみき内科クリニックでは、高血圧をはじめ、糖尿病や脂質異常症などの生活習慣病について診療を行っています。
患者さんの生活習慣や健康状態を確認しながら、必要な検査や治療方針について一緒に考えていきます。
国分寺市をはじめ、小平市・立川市・国立市周辺で、高血圧の治療や食生活の改善についてお悩みの方は、お気軽にご相談ください。
受診時には、健康診断の結果や家庭血圧の記録、お薬手帳などをお持ちいただくと、現在の状態を確認する際に役立ちます。
まとめ
高血圧の方にとって、減塩は重要な生活習慣改善の一つです。
日本高血圧学会では、食塩摂取量を1日6g未満にすることを推奨しています。
しかし、最初から完璧な減塩生活を目指す必要はありません。
まずは、
- 外食では麺類のスープを残す
- しょうゆやソースをかけすぎない
- コンビニ食では食塩相当量を確認する
- 味噌汁や漬物の量を見直す
- だしや香辛料、酸味を活用する
- 家庭血圧を記録する
といった身近な工夫から取り組んでみましょう。
大切なのは、無理なく続けられる方法を見つけることです。
減塩を続けても血圧が高い場合や、健康診断で繰り返し血圧の異常を指摘されている場合には、自己判断で放置せず、医療機関で相談することをおすすめします。

■この記事の監修者
国分寺なみき内科クリニック
院長 鈴木 愛(すずき めぐみ)
<所属学会・専門医>
日本内科学会 総合内科専門医・指導医 / 日本血液学会 血液専門医
日本造血細胞移植学会 造血細胞移植認定医 / 日本輸血・細胞治療学会 / 日本臨床腫瘍学会臨床研修指導医 / がん診療に携わる医師に対する緩和ケア研修会修了
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