中性脂肪だけ高いのはなぜ?TGが高くなる原因と再検査・受診の目安

「健康診断で中性脂肪だけ高いと言われた」

「LDLコレステロールは正常なのに、TGだけ高いのはなぜ?」

「中性脂肪が200、300だったけれど病院へ行くべき?」

「前日にお酒を飲んだから高くなっただけ?」

健康診断や血液検査で、このような疑問を持つ方は少なくありません。

中性脂肪は「トリグリセライド(TG)」とも呼ばれ、私たちの体を動かすためのエネルギー源として重要な脂質です。

しかし、血液中の中性脂肪が高い状態が続くと、動脈硬化やその他の生活習慣病と関連するため注意が必要です。

また、中性脂肪はLDLコレステロールとは異なり、食事・飲酒・採血した時間などによって数値が大きく変化しやすいという特徴があります。

そのため、

「1回高かったからすぐ薬が必要」

とも、

「前日に食べただけだから放置してよい」

とも一概には言えません。

国分寺なみき内科クリニックでは、健康診断で中性脂肪やコレステロールの異常を指摘された方について、健診結果を確認し、必要に応じて再検査や生活習慣の見直し、治療を行っています。

この記事では、「中性脂肪だけ高い」と言われた方に焦点を絞って、原因、数値の見方、再検査・受診の目安について解説します。

脂質異常症全体について詳しく知りたい方は、
国分寺市の脂質異常症治療|コレステロール・中性脂肪が高い方へ
をご覧ください。

中性脂肪(TG)はいくつから高い?

中性脂肪は、血液検査では「TG」や「トリグリセライド」と表示されることがあります。

現在の脂質異常症の診断基準では、

  • 空腹時採血:中性脂肪150mg/dL以上
  • 随時採血:中性脂肪175mg/dL以上

が高トリグリセライド血症の基準です。

ここで重要なのが、採血時に空腹だったかどうかです。

空腹時とは、基本的に10時間以上カロリーのあるものを摂取していない状態を指します。

一方、

「朝食を食べたあとに健康診断を受けた」

「昼食後に病院で採血した」

「空腹だったかよく分からない」

といった場合は随時採血として評価します。

中性脂肪は食事の影響を受けやすいため、健診結果を見る際には数値だけでなく、どのような条件で採血したかを確認することが大切です。

なぜ「中性脂肪だけ」高くなるの?

「LDLコレステロールもHDLコレステロールも正常なのに、中性脂肪だけ高い」

ということは珍しくありません。

LDLコレステロールと中性脂肪は、同じ「脂質」ではありますが、体内での役割や増える原因が異なるためです。

中性脂肪は特に、

  • 食べ過ぎ
  • 糖質の取りすぎ
  • 甘い飲み物
  • お菓子
  • アルコール
  • 運動不足
  • 体重増加

などの影響を受けやすい特徴があります。

そのため、

「揚げ物をほとんど食べないのに中性脂肪が高い」

という方でも、実際にはご飯・麺類・パン・お菓子・ジュース・お酒などが影響していることがあります。

お酒を飲むと中性脂肪は上がる?

飲酒は、中性脂肪が高くなる代表的な原因のひとつです。

アルコールを摂取すると、肝臓で中性脂肪の合成が促されることがあります。

特に、

  • 毎日晩酌する
  • 飲酒量が多い
  • ビールや日本酒をよく飲む
  • お酒と一緒に食事やおつまみを多く食べる
  • 健診前日にも飲酒した

という方では、中性脂肪高値に飲酒が関係している可能性があります。

「糖質ゼロのお酒なら中性脂肪には関係ない」

と思われることがありますが、アルコールそのものも中性脂肪の代謝に影響するため、糖質だけの問題ではありません。

中性脂肪が高い方では、まず普段の飲酒量や飲酒頻度を確認することが重要です。

甘いものや炭水化物でも中性脂肪は高くなる?

はい。

中性脂肪という名前から、

「脂っこいものだけ気をつければいい」

と思われがちですが、実際には糖質の取りすぎも中性脂肪を上げる重要な原因です。

たとえば、

  • ご飯を大盛りで食べる
  • 麺類をよく食べる
  • パンを多く食べる
  • お菓子を毎日食べる
  • ケーキや菓子パンが多い
  • ジュースや清涼飲料水をよく飲む
  • 甘い缶コーヒーをよく飲む

といった生活習慣が影響します。

体内で使い切れなかったエネルギーは、中性脂肪として蓄えられます。

そのため、中性脂肪を改善するときは、

「脂質を減らす」だけでなく、「糖質や総摂取エネルギーを見直す」

ことが大切です。

前日の食事だけで中性脂肪は高くなる?

中性脂肪は、LDLコレステロールなどと比べても食事の影響を受けやすい検査項目です。

そのため、

「健診前日に遅い時間まで食事をしていた」

「前日に飲み会だった」

「採血前に朝食を食べた」

といった条件では、中性脂肪が高くなる可能性があります。

ただし、

「食事のせいだろう」と自己判断して異常値を放置することはおすすめできません。

空腹時に再検査すると正常になる方もいれば、再検査しても高値が続く方もいます。

特に、

  • 毎年中性脂肪が高い
  • 200~300mg/dL以上が続いている
  • 年々上昇している
  • 血糖値やHbA1cも高い
  • 肝機能も指摘されている

場合には、再検査をおすすめします。

健康診断全体の異常については、
健康診断で異常を指摘されたら?再検査・受診の目安
もご覧ください。

中性脂肪が200・300なら受診した方がいい?

中性脂肪は採血条件によって変動するため、

「200なら必ず治療」
「300なら必ず薬」

というように数字だけで治療を決めるものではありません。

ただし、空腹時150mg/dL以上、随時175mg/dL以上が高トリグリセライド血症の基準です。

そのため、

200~300mg/dL程度の高値が繰り返し確認されている場合には、一度医療機関で原因を確認することをおすすめします。

特に、

  • 糖尿病
  • 高血圧
  • 肥満
  • 喫煙
  • 脂肪肝
  • HDLコレステロール低値

などが重なっている場合には、動脈硬化リスクをまとめて評価することが重要です。

「中性脂肪だけだから大丈夫」

とは考えず、他の健診項目も一緒に確認しましょう。

中性脂肪500以上の場合は放置しないでください

中性脂肪が非常に高い場合には、動脈硬化だけでなく急性膵炎にも注意が必要です。

特に、空腹時中性脂肪が500mg/dL以上の著明な高値では、医療機関での評価をおすすめします。

さらに1,000mg/dLを超えるような著しい高値では、急性膵炎のリスクに一層注意が必要になります。

中性脂肪が極端に高い場合には、

  • 糖尿病のコントロール不良
  • 多量飲酒
  • 肥満
  • 遺伝的な脂質代謝異常
  • 一部の薬剤

などが関係している場合があります。

健康診断で500mg/dL以上を指摘された場合は、

「食事の影響だろう」

と放置せず、早めに医療機関へご相談ください。

また、

  • 強い上腹部痛
  • 背中まで響くような痛み
  • 強い吐き気・嘔吐

などがある場合には、急性膵炎など別の病気も考える必要があるため、速やかな受診が必要です。

中性脂肪が高い人は糖尿病にも注意

中性脂肪高値と糖代謝異常は、同時にみられることがあります。

特に、

  • 中性脂肪が高い
  • お腹周りが気になる
  • 血糖値も高い
  • HbA1cも高い
  • 血圧も高い

という場合には、インスリン抵抗性やメタボリックシンドロームなどが背景にあることがあります。

そのため当院では、中性脂肪が高い方について必要に応じて、

  • 血糖値
  • HbA1c
  • 血圧
  • LDLコレステロール
  • HDLコレステロール
  • 肝機能
  • 腎機能

なども確認します。

健診で血糖値やHbA1cも指摘されている方は、
糖尿病の症状・検査・治療について
もご覧ください。

生活習慣病は一つずつ別々に見るのではなく、高血圧・糖尿病・脂質異常症をまとめて管理することが重要です。

LDLが正常なら中性脂肪が高くても大丈夫?

いいえ。

LDLコレステロールが正常であっても、中性脂肪が高い状態をそのままにしてよいという意味ではありません。

高トリグリセライド血症も、動脈硬化性疾患のリスクと関連します。

また、中性脂肪が高い方では、

  • HDLコレステロールが低い
  • 肥満がある
  • 糖尿病がある
  • 脂肪肝がある
  • 高血圧がある

など、他のリスクが隠れていることがあります。

反対に、

「中性脂肪は正常だけれどLDLだけ高い」

という方もいます。

LDLコレステロールと中性脂肪では、数値の見方や原因が異なります。

LDLが高いと言われた方は、
健診でLDLコレステロールが高いと言われたら|どのくらいから受診が必要?
をご覧ください。

中性脂肪を下げるには何をすればいい?

中性脂肪高値では、生活習慣の改善によって数値が大きく変わることがあります。

まず確認したいのは、次のポイントです。

  • 飲酒量を減らす
  • 甘い飲み物を控える
  • お菓子・菓子パンなどを減らす
  • ご飯・パン・麺類を取りすぎない
  • 食べ過ぎを避ける
  • 適正体重を目指す
  • 定期的に運動する
  • 魚を食生活に取り入れる

ただし、極端な食事制限を自己流で行う必要はありません。

どこを改善すればよいかは、

「お酒が多い」

「甘い飲み物が多い」

「炭水化物が多い」

「体重が増えた」

など、その方の生活によって異なります。

原因を整理して、自分に必要な部分から改善することが重要です。

中性脂肪が高いと薬は必要?

中性脂肪が高い方全員が薬を飲むわけではありません。

比較的軽度の高値で、生活習慣が主な原因と考えられる場合には、まず食事・運動・飲酒などを見直してから再検査することがあります。

一方で、

  • 中性脂肪が非常に高い
  • 生活習慣改善でも下がらない
  • 糖尿病など他の疾患がある
  • 動脈硬化リスクが高い

場合には、薬物治療を検討することがあります。

「中性脂肪200だから薬」

「300なら絶対に薬」

と一律に決めるのではなく、数値・原因・他のリスクを総合的に確認して治療方針を決めます。

中性脂肪についてよくある質問

中性脂肪150は高いですか?

空腹時採血では150mg/dL以上が高トリグリセライド血症の基準です。随時採血では175mg/dL以上が基準になります。採血条件も確認して判断することが重要です。

中性脂肪200は病院へ行くべきですか?

1回の数値だけで治療が決まるわけではありませんが、高値に該当します。過去にも高い、糖尿病や高血圧などがある場合には一度内科で相談することをおすすめします。

中性脂肪300は高いですか?

高値です。食事や飲酒の影響も考えられますが、そのまま放置せず、空腹時の再検査や血糖・肝機能などを含めて原因を確認することをおすすめします。

中性脂肪500は危険ですか?

空腹時500mg/dL以上の著明な高値では、急性膵炎のリスクにも注意が必要です。早めに医療機関で評価を受けてください。

中性脂肪が高いのは前日にお酒を飲んだからですか?

飲酒によって中性脂肪が上がることはあります。ただし、高値をすべて前日の飲酒だけで説明できるとは限りません。必要に応じて条件を整えて再検査します。

痩せているのに中性脂肪が高いことはありますか?

あります。中性脂肪は肥満だけでなく、飲酒・食事・糖尿病・遺伝的要因などでも高くなることがあります。

LDLは正常なのに中性脂肪だけ高いです。問題がありますか?

LDLと中性脂肪は別々に評価する必要があります。LDLが正常でも、高トリグリセライド血症が続く場合には生活習慣や他の疾患を確認することが大切です。

再検査は空腹で受けた方がいいですか?

中性脂肪の評価では空腹時採血が参考になる場合があります。受診時に前回の採血条件を確認し、医師の指示に従ってください。

国分寺で中性脂肪が高いと言われた方へ

中性脂肪は食事・飲酒などによって変動しやすいため、

「たまたま高かっただけ」

と思われやすい検査項目です。

しかし、

  • 毎年高い
  • 200~300mg/dL以上が続いている
  • 中性脂肪だけ高い原因が分からない
  • 血糖値やHbA1cも高い
  • 肝機能も指摘されている
  • 500mg/dL以上だった

という場合には、一度原因を確認することが大切です。

国分寺なみき内科クリニックでは、健康診断で中性脂肪(TG)が高いと言われた方について、健診結果を確認し、

採血条件の確認

必要に応じた再検査

血糖・HbA1c・肝機能などの確認

食事・飲酒・運動など生活習慣の見直し

必要に応じた薬物治療

という流れで診療します。

中性脂肪だけを見るのではなく、高血圧・糖尿病・LDLコレステロールなども含め、将来の動脈硬化リスクを総合的に評価します。

国分寺市をはじめ、小平市・立川市・国立市周辺で、

「健診で中性脂肪だけ高いと言われた」

「中性脂肪が200・300と言われた」

「再検査した方がいいか分からない」

「お酒を飲むので中性脂肪が気になる」

という方はご相談ください。

脂質異常症について総合的に知りたい方は、
国分寺市の脂質異常症治療|コレステロール・中性脂肪が高い方へ
をご覧ください。

健康診断全体については、
健康診断で異常を指摘されたら?再検査・受診の目安
もご確認ください。

■この記事の監修者

国分寺なみき内科クリニック 

院長 鈴木 愛(すずき めぐみ)


<所属学会・専門医>
日本内科学会 総合内科専門医・指導医 / 日本血液学会 血液専門医
日本造血細胞移植学会 造血細胞移植認定医 / 日本輸血・細胞治療学会 / 日本臨床腫瘍学会臨床研修指導医 / がん診療に携わる医師に対する緩和ケア研修会修了

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