大人の百日咳とは?2週間以上続く咳・夜の咳は要注意

「風邪は治ったはずなのに咳だけ2週間以上続いている」

「夜になると咳が止まらなくなる」

「咳き込むと息を吸うのが苦しい」

「家族や職場にも咳をしている人がいる」

このような症状はありませんか?

咳が長引く原因には、咳喘息、気管支喘息、感染後咳嗽、後鼻漏、逆流性食道炎などさまざまな病気があります。

その中のひとつが、百日咳(ひゃくにちぜき)です。

百日咳というと「子どもの病気」というイメージを持っている方も多いかもしれません。

しかし、百日咳は子どもだけの感染症ではなく、大人でも感染・発症します。

特に成人では典型的な症状が出ないことがあり、

「熱はないけれど咳だけがずっと続く」

「普通の風邪だと思っていた」

という状態で経過する場合があります。

また、大人の百日咳そのものは比較的軽く経過することがあっても、家庭内で乳幼児へ感染させると重症化する可能性があるため注意が必要です。

国分寺なみき内科クリニックでは、長引く咳について、症状の経過や周囲の感染状況を確認し、百日咳だけでなく喘息・肺炎・その他の呼吸器疾患も含めて診療しています。

この記事では、「大人の百日咳」に焦点を絞り、症状・感染経路・検査・治療・受診の目安を分かりやすく解説します。

咳が長く続いていて、原因が分からない方は、
国分寺なみき内科クリニックの呼吸器内科
もご覧ください。

百日咳とは?

百日咳は、百日咳菌(Bordetella pertussis)という細菌によって起こる急性の気道感染症です。

名前の通り、咳が長期間続くことが特徴です。

実際に必ず100日間咳が続くわけではありませんが、症状が強い時期から回復するまで、全体で2~3か月程度かかることがあります。

感染した人の咳やくしゃみに含まれる飛沫などを通して感染します。

百日咳は一年を通して発生する可能性があります。

子どもに多い感染症ですが、予防接種を受けていても年月が経過すると免疫が低下するため、思春期以降や成人でも感染することがあります。

成人では症状が典型的ではないことがあり、本人が百日咳だと気づかないまま周囲へ感染を広げてしまうこともあります。

大人の百日咳ではどんな症状が出る?

百日咳の典型的な経過は、大きく3つの時期に分かれます。

最初の1~2週間:風邪のような症状

感染後、一定の潜伏期間を経て、

  • 鼻水
  • くしゃみ
  • 軽い咳
  • 微熱
  • のどの違和感

など、一般的な風邪とよく似た症状から始まります。

この段階では、

「普通の風邪だろう」

と思われることが少なくありません。

その後、徐々に咳の回数が増え、強くなっていきます。

その後2~3週間:激しい咳が出やすくなる

百日咳では、短い咳が立て続けに起こる「発作性の咳」が特徴です。

特に、

  • 夜になると咳がひどくなる
  • 咳が連続して止まらない
  • 咳込みすぎて苦しくなる
  • 咳の後に大きく息を吸う
  • 咳込み後に吐いてしまう
  • 咳で眠れない

といった症状がみられることがあります。

典型的には、激しい咳の後に息を吸うとき「ヒュー」という音が出ることがあります。

ただし、成人ではこの典型的な音がみられないことも多く、単に「長引く咳」として現れる場合があります。

その後:徐々に回復

激しい咳発作は徐々に減っていきます。

ただし咳だけは長く残り、体調が改善した後も数週間続くことがあります。

そのため、

「風邪が治ってから1か月近く咳だけ続いている」

という状態になることもあります。

「2週間以上続く咳」は百日咳?

咳が2週間以上続く場合、百日咳は原因のひとつとして考えます。

ただし、

「2週間咳が続いた=百日咳」ではありません。

長引く咳の原因には、

  • 百日咳
  • 咳喘息
  • 気管支喘息
  • 感染後咳嗽
  • マイコプラズマ感染症
  • 後鼻漏
  • 副鼻腔炎
  • 胃食道逆流症
  • COPD
  • 一部の降圧薬
  • 肺炎
  • 結核
  • 肺がん

など、さまざまな病気があります。

御院の呼吸器疾患ページでも、2~3週間以上続く咳について、百日咳だけでなく咳喘息・気管支喘息・後鼻漏・逆流性食道炎などが原因として挙げられています。

そのため重要なのは、

「咳が長引いているから咳止めだけを飲み続ける」のではなく、原因を確認すること

です。

長引く咳については、
咳・痰・息切れなど呼吸器症状について
もご覧ください。

大人の百日咳は「熱がない」こともある?

あります。

成人の百日咳では、高熱が目立たないことがあります。

そのため、

「熱がないから感染症ではない」

とは限りません。

特に、

  • 熱はない
  • 食欲もある
  • 日中は比較的元気
  • でも咳だけ2~3週間続いている
  • 夜になると咳が悪化する

という場合でも百日咳が隠れている可能性があります。

逆に、高熱が続く、息苦しい、強い倦怠感がある場合には、百日咳だけではなく肺炎など他の呼吸器感染症についても確認する必要があります。

発熱や感染症を疑う症状がある方は、
国分寺なみき内科クリニックの発熱外来
をご確認ください。

夜になると咳がひどくなるのは百日咳?

百日咳では、夜間に咳発作が多くなることがあります。

そのため、

「昼間はまだ大丈夫だけれど、布団に入ると咳が止まらない」

「夜中に何度も咳で起きる」

という症状は百日咳でもみられます。

ただし、夜間の咳は百日咳だけの特徴ではありません。

気管支喘息や咳喘息でも、夜間・早朝に咳が悪化しやすい傾向があります。

喘息では、

  • ゼーゼー・ヒューヒューする
  • 息苦しい
  • 季節の変わり目に悪化する
  • 運動すると咳が出る
  • 風邪をひくたび咳が長引く

といった特徴がみられることがあります。

一方、百日咳では感染をきっかけに発作的な咳が続くことが特徴です。

症状だけで完全に区別することは難しいため、経過や周囲の流行状況などを含めて判断します。

喘息との違いについて詳しくは、
喘息・気管支喘息の原因と受診の目安
をご覧ください。

百日咳は人にうつる?

百日咳は人から人へ感染する感染症です。

主に、

  • くしゃみ
  • 会話などによる飛沫
  • 感染者との近い接触

によって広がります。

特に発症初期は、一般的な風邪と見分けにくい一方で、周囲へ感染させる可能性があります。

そのため、

「職場で咳をしている人が何人もいる」

「学校や家庭で百日咳が出た」

「家族が百日咳と診断された後、自分も咳が出始めた」

といった情報は診断の重要な手がかりになります。

受診する際には、周囲で百日咳と診断された方がいる場合は必ず医師へお伝えください。

大人から赤ちゃんへ感染することもある?

あります。

この点は特に重要です。

成人では百日咳が比較的軽い症状で済むことがありますが、乳児では重症化することがあります。

特に月齢の低い赤ちゃんでは、

  • 無呼吸
  • 呼吸困難
  • 肺炎
  • けいれん

などにつながることがあります。

成人が、

「ただの長引く咳だろう」

と思っていたところ、実際には百日咳で、家庭内の乳児へ感染させてしまうことも考えられます。

そのため、

乳児と同居している方で、原因不明の咳が長引いている場合には早めに医療機関へ相談することが大切です。

百日咳はどうやって検査する?

百日咳が疑われる場合には、症状の経過や周囲の感染状況などを確認したうえで、必要に応じて検査を行います。

百日咳の診断に用いられる検査には、

  • PCR法
  • LAMP法などの遺伝子検査
  • 抗原検査
  • 血液を使った抗体検査
  • 菌を調べる培養検査

などがあります。

どの検査が適しているかは、発症からどのくらい時間が経過しているかによっても変わります。

百日咳は、発症から検査までの期間によって検査結果が影響を受けるため、

「咳がいつから始まったか」

を正確に医師へ伝えることが重要です。

また、成人の長引く咳では百日咳以外の病気も考える必要があります。

当院では、症状や経過に応じて聴診・血液検査・胸部レントゲンなども組み合わせ、肺炎やその他の呼吸器疾患が隠れていないか確認します。

百日咳は抗菌薬で治療する?

百日咳は細菌感染症のため、抗菌薬による治療を行う場合があります。

代表的にはマクロライド系抗菌薬などが使用されます。

ただし、百日咳では治療を開始するタイミングが重要です。

発症早期、特に風邪のような症状の時期に適切な抗菌薬治療を行うことで、その後の症状を軽くできる可能性があります。

一方、すでに激しい咳が何週間も続いている時期では、百日咳菌が作った影響によって咳が続いているため、抗菌薬を始めてもすぐに咳が止まるとは限りません。

その場合でも、治療によって周囲への感染を減らす目的があります。

そのため、

「どうせ咳がすぐ治らないなら治療しても意味がない」

というわけではありません。

自己判断で手元に残った抗菌薬を飲むのではなく、医師の診察を受けてください。

百日咳の咳は咳止めを飲めば治る?

咳止めなどの対症療法を行うことはありますが、百日咳の強い発作性咳嗽では、一般的な咳止めだけでは十分に症状が抑えられないこともあります。

また、

「咳が止まらないから強い咳止めを追加する」

だけでは、原因そのものを見逃す可能性があります。

特に、

  • 2週間以上咳が続いている
  • 夜間の咳が強い
  • 咳込みで吐いてしまう
  • 周囲にも同じような咳をしている人がいる
  • 赤ちゃんと同居している

場合には、単に咳を抑えるだけではなく、原因を確認しましょう。

どんな咳なら早めに受診した方がいい?

次のような場合には、医療機関への受診をおすすめします。

  • 咳が2週間以上続いている
  • 日ごとに咳が強くなっている
  • 夜になると咳が止まらない
  • 咳が連続して起こる
  • 咳込みの後に吐いてしまう
  • 咳で眠れない
  • 家族や学校・職場に百日咳の方がいる
  • 乳児と同居している
  • 息苦しさがある
  • 発熱が続いている
  • 胸の痛みがある
  • 血痰が出る

特に、

息が苦しい、唇が紫色になる、会話が難しいほど呼吸が苦しい

といった症状がある場合には、百日咳だけでなく重い呼吸器疾患の可能性もあるため、速やかな受診が必要です。

百日咳と咳喘息はどう違う?

百日咳と咳喘息は、どちらも「長引く咳」を起こすため、患者さん自身では区別しにくい病気です。

百日咳では、

  • 感染症である
  • 周囲にも咳をしている人がいることがある
  • 咳が発作的に連続する
  • 咳込み後に吐くことがある
  • 数週間~数か月咳が続く

といった特徴があります。

一方、咳喘息では、

  • 夜間・早朝に咳が出やすい
  • 季節の変化で悪化する
  • 冷気・運動などで咳が出る
  • 感染後に咳だけ長く残る
  • 気道の過敏性が関係する

といった特徴があります。

ただし実際には症状だけで完全に区別できません。

必要に応じて肺機能検査なども行いながら原因を判断します。

当院ではスパイロメトリーによる肺機能検査にも対応しています。

詳しくは、
国分寺の呼吸器内科|長引く咳・喘息・COPD・肺炎に対応
をご覧ください。

百日咳を予防するには?

百日咳の予防で重要なのがワクチンです。

日本では乳幼児期の定期予防接種に、百日咳を予防する成分を含むワクチンが使用されています。

ただし、ワクチンによって得られた免疫は一生続くわけではなく、時間の経過とともに低下します。

そのため、子どもの頃に予防接種を受けた大人でも百日咳にかかることがあります。

また、感染が疑われる場合には、

  • 咳エチケット
  • 手洗い
  • マスクの使用
  • 乳児との濃厚な接触をできるだけ避ける

など、周囲への感染を減らす対策も重要です。

大人の百日咳についてよくある質問

大人でも百日咳になりますか?

なります。子どもの頃にワクチンを接種していても、時間の経過とともに免疫が低下するため成人でも発症することがあります。

百日咳は必ず100日咳が続きますか?

必ず100日続くわけではありません。ただし、咳が数週間から2~3か月程度長引く場合があります。

熱がなくても百日咳の可能性はありますか?

あります。成人では高熱が目立たず、長引く咳だけが主な症状となることがあります。

咳が2週間続いたら百日咳ですか?

百日咳の可能性はありますが、咳喘息・感染後咳嗽・副鼻腔炎・逆流性食道炎など他にも多くの原因があります。長引く場合には原因を確認することをおすすめします。

百日咳の咳は夜にひどくなりますか?

夜間に発作性の咳が多くなることがあります。ただし喘息などでも夜間の咳は起こるため、症状だけでは判断できません。

家族が百日咳になりました。自分も咳が出ています。受診した方がいいですか?

百日咳患者との接触は診断上重要な情報です。特に咳が出ている場合や乳児と同居している場合は、早めに医療機関へ相談してください。

抗菌薬を飲めば咳はすぐ止まりますか?

発症から時間が経って激しい咳の時期になっている場合、抗菌薬を開始しても咳がすぐ改善しないことがあります。ただし周囲への感染拡大を抑える目的で治療することがあります。

国分寺で2週間以上続く咳・百日咳が心配な方へ

百日咳は、

「子どもの病気」

と思われやすい感染症ですが、大人でも発症します。

特に成人では典型的な症状が目立たず、

「熱はないけれど咳だけが何週間も続いている」

という形でみつかることがあります。

次のような方は、一度医療機関へご相談ください。

  • 咳が2週間以上続いている
  • 夜間の咳で眠れない
  • 咳が連続して止まらなくなる
  • 咳込み後に吐いてしまう
  • 家族や職場・学校にも長引く咳の人がいる
  • 百日咳患者と接触した
  • 乳児と同居している
  • 咳の原因が分からない

国分寺なみき内科クリニックでは、長引く咳について、

症状・経過の確認

周囲の感染状況の確認

診察・聴診

必要に応じた血液検査・胸部レントゲンなど

百日咳・喘息・肺炎などを含めた原因の評価

原因に応じた治療

を行います。

当院では、胸部レントゲンやスパイロメトリーによる肺機能検査にも対応しており、感染症だけでなく喘息・COPDなどを含めて長引く咳の原因を評価します。

国分寺市をはじめ、小平市・立川市・国立市周辺で、

「咳がなかなか治らない」

「百日咳かもしれない」

「夜になると咳が止まらない」

「風邪の後から何週間も咳だけ続いている」

という方はご相談ください。

長引く咳については、
国分寺なみき内科クリニックの呼吸器内科
をご覧ください。

感染症を疑う症状がある方は、
国分寺なみき内科クリニックの発熱外来
もご確認ください。

■この記事の監修者

国分寺なみき内科クリニック 

院長 鈴木 愛(すずき めぐみ)


<所属学会・専門医>
日本内科学会 総合内科専門医・指導医 / 日本血液学会 血液専門医
日本造血細胞移植学会 造血細胞移植認定医 / 日本輸血・細胞治療学会 / 日本臨床腫瘍学会臨床研修指導医 / がん診療に携わる医師に対する緩和ケア研修会修了

そんなときこそ、

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