春から夏に注意したい感染症を内科専門医が徹底解説

春から夏にかけて増える感染症とは

季節の変わり目に体調を崩しやすい理由

春から夏にかけては、気温や湿度の変化が大きく、自律神経や免疫のバランスが崩れやすくなります。

さらに、この時期は特定のウイルスや細菌が増えやすい環境となるため、風邪や胃腸炎、発疹を伴う感染症が増加します。

「なんとなくだるい」「微熱が続く」「のどが痛い」といった軽い症状から始まることが多く、放置すると長引いたり、家族や職場に広がることもあります。早めに気づいて、適切に対処することが大切です。

春から夏に多い代表的な感染症

A群溶連菌感染症(ようれんきん)

のどの強い痛みや高熱をが特徴です。子どもに多い病気ですが、大人にも感染します。
放置すると腎炎やリウマチ熱などの合併症を引き起こすことがあります。
抗生物質による治療で完治しますが、症状が軽くても自己判断で薬をやめず、最後まで飲み切ることが重要です。

アデノウイルス感染症(咽頭結膜熱/プール熱)

プールやタオルの共有で感染します。
高熱、喉の痛み、結膜炎(目の充血や痛み)が主な症状です。
ウイルス性のため抗生物質は不要であり、発熱や痛みに対する対症療法が中心です。

手足口病

夏に乳幼児を中心に流行するウイルス感染症です。
手のひら・足の裏・口の中・おしりなどに小さな水ぶくれができ、痛みで食事がしづらくなることもあります。
特別な治療薬はなく、水分補給と安静が基本です

ヘルパンギーナ

高熱と、のどの奥に水ぶくれができることが特徴です。
1〜2歳の子どもに多く見られますが、大人が感染すると症状が強く出ることがあります。
冷たい飲み物やゼリーなど、刺激の少ない食事で喉を保護しましょう。

感染性胃腸炎(ウイルス・細菌性

ノロウイルスやサルモネラ菌、カンピロバクターなどが原因となります。
嘔吐・下痢・発熱が主な症状で、脱水に注意が必要です。
食品の取り扱いや手洗いで予防ができます。

新型コロナウイルス・インフルエンザ

近年は季節を問わず集団感染が発生することがあります。
発症から間もない場合は検査をすり抜けてしまうこともあるので注意が必要です。
発熱・咳・倦怠感などが出現した際は気軽にご相談ください。

感染症の広がりを防ぐためにできること

手洗い・うがいを習慣に

流水と石けんでの手洗いが最も効果的な予防法です。
外出後・食事前・トイレ後・帰宅時には必ず行いましょう。

マスクの着用と咳エチケット

咳やくしゃみが出るときはマスクを着け、他の人にうつさないよう配慮しましょう。
特に家庭内では、使いまわしのタオルやコップを避けることが大切です。

室内の環境を整える

湿度40〜60%を保ち、換気をこまめに行いましょう。
エアコンの冷風や乾燥でのどが傷つくと、ウイルスが入り込みやすくなります。

十分な睡眠とバランスの取れた食事

免疫力を保つためには、規則正しい生活が欠かせません。
野菜やたんぱく質をしっかり摂り、夜更かしを避けて体の回復を促しましょう。

体調が悪いときは無理をしない

発熱や強いだるさを感じるときは、早めに休養を取りましょう。
感染拡大を防ぐためにも、学校や職場を休むことは大切な対策のひとつです。

感染症にかかりやすい人の特徴

免疫力が落ちやすい人とは?

・睡眠不足が続いている
・食事のバランスが偏っている(野菜不足・朝食抜き)
・ストレスや疲労が溜まっている
・運動不足で代謝が落ちている
・喫煙や飲酒の習慣がある

これらに当てはまる方は、体の防御機能が弱まり、感染症にかかりやすくなります。
特に「なんとなくだるい」「微熱が続く」ときは感染症の初期サインであることがあります。

感染症を長引かせないためのポイント

感染症は適切な初期対応により回復が早まることがあります。

体力が戻る前に活動を再開すると、免疫力が十分に回復せず、ウイルスや細菌が再び増えてしまうことがあります。
体の回復サイン(食欲・睡眠・体温の安定)を目安に、少しずつ日常生活に戻していきましょう。

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冷暖房の季節に注意したいポイント

冷暖房による温度差や乾燥はのどの粘膜を弱め感染症のきっかけになることがあります。

「冷房病」と呼ばれる自律神経の乱れによる体調不良にも注意しましょう。

冷房病(クーラー病)とは?

冷房が効いた部屋に長時間いると、体温調節機能が乱れ、体のだるさ、喉の痛み、頭痛、軽い発熱などを引き起こすことがあります。

軽い風邪やウイルス感染と区別がつきにくいこともありますが、「寒い場所に長時間いたあと体調を崩した」「手足が冷える」という場合は冷えが原因の可能性もあります。
羽織りものを活用し、温度差をできるだけ減らすことが予防につながります。

よくあるご質問

風邪と感染症の違いはありますか?

一般的な「風邪」もウイルスによる感染症の一種です。原因となるウイルスの種類や重症度によって、治療法や注意点が異なります。

プールでうつる感染症はありますか?

アデノウイルスによる「プール熱」や、手足口病が代表的です。プール後はシャワーを浴び、タオルを共有しないようにしましょう。

子どもが発熱したとき、すぐ病院に行くべきですか?

元気があり、水分が取れていれば1日様子を見ても構いません。ぐったりしている、吐き気などで食事・水分が取れない、呼吸が苦しそうな場合はすぐに受診を検討してください。

家族が感染したとき、家庭内で気をつけることは?

手洗い・マスク着用・タオルや食器の共有を避けましょう。部屋を分け、こまめに換気することも大切です。

熱が下がっても学校や仕事に行っていいですか?

感染力が残っていることがあるため、解熱後1〜2日は安静に。医師の指示に従いましょう。

抗生物質は感染症に効きますか?

ウイルス性の感染症(風邪・プール熱など)には効果がありません。細菌性の感染に限って使用されます。

感染症を繰り返すのは体が弱いからですか?

疲れ・睡眠不足・ストレスなどで免疫力が低下している可能性があります。生活習慣の見直しで予防できます。

食事で免疫を高めるには?

ビタミンA・C・Eを含む野菜や果物、ヨーグルトなど発酵食品を意識的に摂りましょう。

発熱が続く場合は何を疑うべきですか?

ウイルス感染以外にも、細菌感染や炎症性疾患の可能性があります。3日以上続く場合は必ず医療機関へ。

感染症は夏でもマスクをしたほうがいいですか?

人が多い場所や公共交通機関では効果的です。室内が乾燥している場合も、喉の保湿目的でおすすめします。

院長からのメッセージ

春から夏にかけては気温や湿度の変化が大きく体がついていかない時期でもあります。
この時期の感染症は、軽い症状から始まって思いがけず長引くこともあります。

体のだるさやのどの痛み、微熱など、「少し変だな」と感じたときは、早めに受診して原因を確認しましょう。
当院では、感染症の診断だけでなく、体力回復や免疫ケアの方法についても丁寧にお伝えしています。

患者さん一人ひとりが季節の変化に負けず、安心して過ごせるようサポートしてまいります。体調に不安があるときは、どうぞお気軽にご相談ください。 早めのケアが、元気な夏を迎える第一歩になります。

■この記事の監修者

国分寺なみき内科クリニック 

院長 鈴木 愛(すずき めぐみ)


<所属学会・専門医>
日本内科学会 総合内科専門医・指導医 / 日本血液学会 血液専門医
日本造血細胞移植学会 造血細胞移植認定医 / 日本輸血・細胞治療学会 / 日本臨床腫瘍学会臨床研修指導医 / がん診療に携わる医師に対する緩和ケア研修会終了

<所属学会・専門医>
日本内科学会 総合内科専門医・指導医/日本血液学会 血液専門医/日本造血細胞移植学会 造血細胞移植認定医/日本輸血・細胞治療学会/日本臨床腫瘍学会臨床研修指導医/がん診療に携わる医師に対する緩和ケア研修会終了

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